「らんまん」で万太郎の次女を演じた遠藤さくら その魅力を探る

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 最終回を迎えたNHK連続テレビ小説「らんまん」。その最終盤で主人公・槙野万太郎(神木隆之介)の次女・千歳として登場したのが、乃木坂46の遠藤さくらだ。乃木坂に注目していない人にとってはまだまだ知られた存在ではない。そこで今回は彼女の魅力に迫ってみよう。

引っ込み思案な自分を「どうにかして変えたい」

 遠藤は2001年10月3日、愛知県名古屋市で生まれた。中学高校と吹奏楽部に所属していたため、特技はクラリネットを吹けることだ。コンクール出場経験も豊富で、中学時代には県大会で金賞を受賞したこともある。

 実に印象的な「さくら」という純和風の名前は、グループの冠番組「乃木坂工事中」(テレビ東京系・以下「乃木中」)でその由来が明かされた。実家は名古屋でそば店を営んでいるが、彼女の父親の前職は地元FMラジオ局のディレクターで、その当時メジャーデビュー前だったコブクロに注目していた。そうした流れで、インディーズ時代のアルバム収録曲「桜」が「さくら」という名前の由来になったわけだ。

 彼女は友人の影響で乃木坂46の楽曲を聴き始めた。グループの代表曲で「インフルエンサー」(2017年)に感動してファンになった後、高校2年生だった2018年、乃木坂46を含む3グループの合同オーディションへの応募を決意する。引っ込み思案な性格で、友達とうまく話せなかった自分を「どうにかして変えたい」と悩んだ結果だった。

 そして合同オーディション前のセミナー(説明会)に挑んだところ、書類による第一次審査が免除されるシード権を獲得する。そして続く審査もクリアし、同年8月に無事合格。同年11月には4期生として念願の乃木坂46に配属された。同年12月に行われた4期生のお披露目イベントでは「インフルエンサー」のセンターに大抜擢されるなど、初期のころから期待の星だった。

モデル、グループのセンター、CMと引っ張りだこ

 その先は快進撃だ。女性ファッション誌からのオファーが殺到し、2019年の1年間で10誌に登場した。2020年5月には「non-no」(集英社)の専属モデルに就任し、現在では「東京ガールズコレクション」などのファッションイベントの常連となっている。

 グループでは、2019年8月リリースの24thシングル「夜明けまで強がらなくてもいい」でセンターに初抜擢された。2021年6月リリースの27thシングル「ごめんねFingers crossed」でも、3作ぶり2度目のセンターを務めている。

 CMでも先輩メンバーとともに、ブルボンやサンヨー食品、スマートニュース、日本コカ・コーラ、森永製菓などに次々と起用され、現在は同期の清宮レイと共演した「ディズニー★JCBカード」のCMがオンエア中だ。

 まさに引っ張りだこ状態だ。その魅力としては、「清楚で可憐」な雰囲気という「乃木坂っぽさ」がまず挙げられる。また、スタイルの良さは“アイドル界No.1の小顔”と評された卒業生の齋藤飛鳥と並んでも遜色ない。身長164センチで手足が長く、曲でのダンスではその存在感がひときわ際立っている。

 なにより、ライブ中での表情がかっこいい。センターを務める「ごめんねFingers crossed」は、アップテンポで全体的にオシャレ感が漂う曲調だ。そのせいか、昨年7月に放送された「乃木中」での企画「キメ顔グランプリ」では、「最近は大人っぽい仕草をしながらのキメ顔をするようになりました」(振付師)、「いつからこんな顔できるようになったの!?」(マネージャー)、「現キメ顔クイーン」(ライブカメラマン)と最大級の賛辞が贈られた。

 彼女が最初にセンターを務めた「夜明けまで強がらなくてもいい」はダークでメロディアスな曲調で、彼女のシリアスな表情が見どころだった。どちらの曲も彼女の魅力の一つである透明感とは真逆の曲調だったが、想像以上の表現力でいつもと違った顔をまざまざと見せつけたといえる。

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