ミスマガジン、不可解だった表紙の“水着ナシ” 9月のグラビアを振り返る

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 売れない雑誌、水着に厳しくなる社会、その一方で紙から電子書籍へのシフトと大きな変化を見せているグラビア。その動きをグラビア評論家の徳重龍徳が振り返る連載「上善は水着のごとし」。9月のグラビアのトピックスは……。

今月の「えっ」

 1982年にスタートし日本を代表するグラビアアイドルのコンテスト「ミスマガジン」。その2023年度のグランプリが8月末に発表され、宮崎県出身の17歳、今森茉耶さんがグランプリに輝きました。

 ミスマガといえば細川ふみえ、山田まりや、岩佐真悠子などこれまで数々のグラビアのスターを輩出。一時の休止を経て、2017年に復活してからも沢口愛華、菊地姫奈とスターを輩出してきた、人気グラドルの登竜門です。

 ミスマガの受賞者たちは発表直後の週刊ヤングマガジンの表紙を飾るのが恒例なのですが、今年の表紙には驚かされました。9月4日発売号の表紙では、受賞者6人の衣装がこれまで定番だったビキニではなく、タンクトップだったからです。この賞が週刊少年マガジン、ヤンマガの共催となった2001年以降、服での表紙は初でした。

 変化の兆しは昨年のグランプリ発表時からありました。近年のミスマガジンではベスト16、グランプリの発表と2回、メディアを呼んだ発表会を行います。昨年はベスト16の時点では水着での登壇はありましたが、グランプリの発表会では水着はなく、白のワンピース姿だけでした。

 昨今のフェミニズムの流れをミスマガも受けたのか......と思っていたのですが、今年のベスト16の時点では全員が水着で登壇。しかしグランプリ発表では水着ではなく、白いドレスでの登壇でした。ベスト16メンバーが顔を揃えた5月発売のヤンマガの表紙では16人が恒例の白いビキニを着ていましたし、どうにもチグハグです。

 気になったので、ミスマガジン事務局に質問したところ「ミスマガジンはグラビアに限らず演技やトークといった自分を表現する機会を提供し、受賞者たちの芸能活動を1年間全力でバックアップしていく唯一無二のオーディションという方針を打ち出しており、その方針に沿った総合的な判断です」と戻ってきただけで、なぜグランプリが水着ではなくなったのかや、グランプリは服なのに、ベスト16はなぜ水着のままなのかという質問については回答がありませんでした。

 表紙がなぜ今回から水着になったかという質問に対しても回答はなし。答えにくい事情があるんでしょうか……。事務局の回答を読むと、受賞者は大切にするけど、その候補であるベスト16はバックアップしないから水着とも捉えられます。

 今回の受賞者は18歳以下が多いため「未成年の水着は控えたのかな」と勝手に想像していたら、2週後の表紙は17歳の南みゆかさんが水着で飾っていたので、この推理もハズレのようです。

 グラビアを代表する老舗コンテストなだけに受賞者が初めて飾る表紙が水着でなくなるのは寂しくもありますが、時代の流れ上、そうした方針転向があってもよいと思います。その代わり、聞かれれば堂々と説明してほしいところではあります。

 なお、今年のミスマガ受賞者は近年でもレベルが非常に高く、数年後のスターが生まれそうだと期待しています。

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