「クソ日本人」と連呼…迷惑系動画で逮捕された“ソマリア海賊”の男が日本に目を付けた特別な事情

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「また原爆を落としてやる」

 今年6月、ゲーム実況で知られるxQcことフェリックス・レンゲル氏(27)とKickは、2年間の契約を結んだ。これまでレンゲル氏はTwitchでも配信を行っていたが、それをKickが独占。契約金は7000万ドル(約104億円)と破格で、欧米のネットメディアは「Twitchにとって痛手」と報じている。

「Kickを閲覧すると、ゲーム実況が重要なコンテンツだということが分かります。こうした世界的な人気配信者と比較すると、カリド容疑者の知名度は低く、数百億円の収入など無縁の生活だったに違いありません。とはいえKickは取り分が95%ですから、日本で迷惑系動画を生配信し、滞在を続けるぐらいの収入はあったのでしょう」(同・記者)

 カリド容疑者はエチオピア系アフリカ人とされている。あくまでも自称だが、元少年兵で、ソマリアの海賊だったと主張。ネット上では「州立大学卒」「金融関係」「不動産経営」などの情報も乱れ飛んでいるが、真偽は定かではない。

「カリド容疑者は今年の春、突然、ネット上で注目を集めました。5月、都営大江戸線の日本人乗客に『原爆投下は真珠湾攻撃が原因』『また原爆を落としてやる』などと英語で一方的にまくしたて、呆然とする乗客の姿を生配信したのです。動画はネット上で拡散し、批判が殺到しました。この時は謝罪し、日本を離れた時期もあったようです。しかしながら、“鉱脈”を見つけたと思ったのでしょう。再び来日して迷惑動画を配信することになりました」(同・記者)

安倍元首相を「撃つ」仕草

 カリド容疑者の公式YouTubeチャンネルを見ると、アメリカやタイなどで動画を配信した痕跡が残っている。だが、再生回数は数百回だ。一方、日本での生配信は炎上を伴って話題になることが多かった。カリド容疑者の悪行の一部を改めて紹介しよう。

◆安倍晋三元首相の写真をスマホに写し、左手を銃の形にして撃つ仕草を見せた
◆運送会社のトラックに無断で乗車し、積荷のスイカを食べた
◆電車の車内でダンスを踊る
◆赤信号で車道に飛び出し、車の通行を妨害
◆コンビニの店内で騒ぎ、店員に注意された後、商品を購入する際に1000円札を投げる
◆高齢者と思われる女性の自宅に覆面姿で無断侵入。女性が狼狽する様子を生配信
◆電車内で「私は安倍晋三」「クソ日本人をここから追い出せ」と英語で暴言を吐く
◆ポータブルスピーカーから女性の性的な声を大音量で流す
◆大阪の繁華街で白人にレイシスト(人種差別主義者)と言いがかりをつけ、自身が殴られて昏倒する様子を配信

 いずれも理解不能な内容ばかりだが、ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「こうした迷惑系動画の源流は、YouTubeがスタートした2005年から確認できます」と指摘する。

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