人気急上昇「所沢市」が抱える“不安材料” 子育て世代から顰蹙を買う「藤本市長」の時代錯誤

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待機児童数は県内ワースト1位

 他方、市議会関係者は別の懸念を口にする。

「所沢市では藤本市長の方針で保育園の利用が制限されています。実際、2023年4月1日時点における所沢市の待機児童数は県内ワースト1位。さらに“育休退園”の問題もあります。共働き家庭が第一子を保育園に預けることはとても大変です。どうにか入園できても、所沢市では第二子が生まれると、第一子が保育園を退園しなければならない決まりになっている。これを“育休退園”と呼び、いくつか継続通園の条件はあるものの、上の子どもが2歳児クラス以下の場合は“原則退園”という全国的にも厳しい制度を続けています」

 育休退園を巡っては、2015年に保護者たちが退園決定の差し止めなどを求めて提訴する事態に。この訴訟が終結した際、藤本正人市長は“育休退園”についてこうコメントしている。

「お母さんと一緒にいたい子どもの心、子どもと一緒にいたいと願う親心、待機児童の救済という一石三鳥の施策だと考え、施行している。『この施策でよかった』と保護者に思っていただけるよう努めていく」(2016年1月21日付「毎日新聞」より)

 だが、共働きの子育て世代には冷たい施策なのは明らか。しかも、国を挙げての少子化対策が叫ばれるなか、こうした施策が現在も続いていることには首を傾げざるを得ない。

「藤本市政がスタートした2011年以降、所沢市の人口は微減傾向ですが、子育て世代を含む44歳~0歳の年齢層に関してはおよそ2万9000人も減らしている。“所沢市では子育てができない”という理由で転出したり、“第二子は諦めた”と嘆く子育て世代も少なくありません」

 10月の所沢市長選には、現在、藤本市長を含め3人が名乗りを上げている。果たして、所沢市民の選択はいかに――。

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