人気急上昇「所沢市」が抱える“不安材料” 子育て世代から顰蹙を買う「藤本市長」の時代錯誤
「反省はそんなにしていません」
「西武園ゆうえんち」のリニューアルオープンに、KADOKAWAが展開する「ところざわサクラタウン」の開業、さらには駅前の大規模再開発と、このところ話題に事欠かないのが埼玉県所沢市である。不動産・住宅情報サイトSUUMOが発表している「住みたい街ランキング2023(首都圏)」では、昨年の48位から30位まで大きく順位をアップ。人口34万人を誇る県内屈指の大規模都市は、今後ますます脚光を浴びることになりそうだ。
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さて、そんな人気急上昇中の所沢市にあって、大きな“不安材料”と囁かれているのが、誰あろう“市のトップ”なのだとか。トップとは3期12年にわたって市政を司る藤本正人市長(61)。10月22日に投開票が迫った所沢市長選で4期目に挑むことを表明したが、地元では“パンチの効いた言動”でかねてより有名だという。
たとえば、旧統一教会関連のイベントに出席し、挨拶したことについて質問された藤本市長は、次のように答えている。
<「イベントには信者の知人から誘われ、その後、招待された」といい、旧統一教会に対する認識は「昔は問題があったが、その後は(霊感商法などの)情報が出なくなったので改善していると思っていた。反省はそんなにしていません」と述べた。今後の関わりについては「私の性格上、もう行かないとは言えない」とも話した>(2022年8月31日付「東京新聞」より)
どうにも正直なご発言である。それに加えて、藤本市政が不安視される理由は、“時代錯誤”と言われても仕方がない子育て・教育政策にあった。地元政界関係者によれば、「藤本さんは“昭和の男”とでも呼ぶべき独特の考えの持ち主でね。とくに子育てについては際立っている」という。具体的には、
「“子どもにエアコンなど必要ない”という考えで、2011年の市長就任からまもなく、着手予定だった中学校のエアコン設置工事を中止した。国からの補助金申請も取り下げたものだから大騒ぎになりました」(同)
「教師も生徒も汗だくで過ごすことで一体感が生まれる」
実は、所沢市は航空自衛隊の入間基地がある入間市と隣接しており、基地近くの小中学校では、窓を閉め切らないと騒音で授業が中断されることも。そんな状況下で、真夏にエアコンがなければ体調を崩す生徒がいてもおかしくない。にもかかわらず、かつて中学校の教師だった藤本市長は次のように主張していた。
<エアコンがなくても今まで授業はできた。暑さ対策は扇風機で行う。大震災と原発事故を経た私たちは、我慢をして生活を変えなければならない>(2012年3月30日付「読売新聞」より)
<教師も生徒も汗だくで過ごすことで一体感が生まれる>(2012年4月18日付「朝日新聞」より)
「当然ながら夏場は猛烈な暑さになるので、多くの保護者や市民から怒りの声が上がりましたが、市長は自説を曲げませんでした。そして、2015年に入間基地に近い小中学校へのエアコン設置について住民投票で是非を問うことになったのです。結果、エアコン設置に“賛成”が約65%を占め、藤本市長は方針転換を余儀なくされました」(同)
とはいえ、藤本市長は完全に納得していたわけではなかったようで、
<私としては、最も暑い夏休み中は子どもも(編集部註:学校には)来ない、すなわち(編集部註:エアコンは)使わないのでありますし、7月と9月の土日を除いた20数日間くらい何とでもなる。発育途上の子ども達の健康面から考えても、夏は汗をかくもの>(2018年1月「所沢市新春のつどい」での市長あいさつ)
こうした経緯を経て所沢市議会では2018年12月に、市内すべての小中学校にエアコンを導入することを定めた条例案と、関連費用を盛り込んだ補正予算案が可決。ようやく市内の学校に冷風が吹き込むことになった。
「ここ数年は記録的な猛暑でしたから、どうにか間に合って良かった……。ただ、下手をすれば熱中症で搬送される児童や生徒が続出していた危険性もありましたよ」(同)
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