路上で歩いているだけで「ノコノコ顔出すな」と脅迫、元関東連合の若頭が直面する特殊詐欺 3代目弘道会をめぐる3つの事件から見えるフラストレーション

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特殊詐欺との関わり

 さすがにトバッチリを受けた恰好の間宮本部長は起訴されず釈放となりそうだが、名前を勝手に使ったとされ、その結果、下手を打つことになった伊藤組長への組織内の処分に注目が集まりそうだ。

 この事件の場合、内輪もめの一種と見れば、一般人への影響はないものの、逆に一体何のためにこんなことをしているのかという疑問は残りそうである。

 続いては、一般人に被害者を生んだ事件である。

 昨年2月、6代目山口組3代目弘道会の直参・中政組(本部・水戸市/中島政春組長は3代目弘道会専務理事)の佐野光治若頭が特殊詐欺で逮捕された。

 まずは事件について、振り返っておこう。

「佐野若頭は他の2人と共謀し、横浜市の70代男性宅に息子を装って“バッグをなくした”との電話をかけ、100万円を受け取り、詐取した疑いで22年2月に警視庁に逮捕されました。その後の6月にもさいたま市の80代女性宅に息子を装って“会社のお金が入っているバッグをなくした”とウソの電話をし、200万円をだまし取った疑いで逮捕されています(先の記者)

関東連合出身の若頭

 共に逮捕されたのは受け子、見張り役、受け子からの現金回収役などで、佐野若頭は彼らを統括する立場にあったとされる。

「2017年から2年弱の間に、約1億円を詐取したと警視庁の暴力団対策課は見ているようです」(同)

 現時点で何か事情があるのかとささやかれているのは、佐野若頭らの裁判がまだ開始されていない点である。

 先の竹垣氏によれば、

「被害者の人数が多いので、実態把握に時間がかかっているのかもしれません。佐野若頭の主張は、“特殊詐欺グループにお金を貸していたが、詐欺行為には一切加担していない”ということ。一方で現在、府中刑務所で服役中の中政組の元組員が“佐野の指示で犯行を行った”旨の証言をしているとのことで、なかなかややこしい状況にあると言えるでしょう」

 6代目山口組・司忍組長のボディガードが拳銃を携帯していた件で司組長自身も銃刀法違反で逮捕・起訴されて服役することになったり、工藤會の野村悟総裁に明確な物証がない中で死刑判決が下ったりと、上下関係が極めて厳しいヤクザ組織では、若い衆の犯罪に絡んでトップや幹部が共謀共同正犯で訴追される案件が頻発している。その点でもこの事件の公判は注目を集めそうだ。

「佐野若頭は3代目弘道会では監事の立場です。ちなみに元々関東連合に所属しており、市川海老蔵を殴って服役した男は後輩に当たるということでした」(同)

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