路上で歩いているだけで「ノコノコ顔出すな」と脅迫、元関東連合の若頭が直面する特殊詐欺 3代目弘道会をめぐる3つの事件から見えるフラストレーション
間宮本部長が逮捕
9月20日、6代目山口組の中核組織・3代目弘道会の間宮誠治本部長らが脅迫と暴力行為等処罰法違反の容疑で逮捕された。
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この件を含め、最近、3代目弘道会をめぐって発生した3つの事件の「背景」と「その後」を見てみよう。浮かび上がってくるのはヤクザの窮状である。
まず、5代目河村一家総長(本部・名古屋市)で3代目弘道会の間宮誠治本部長が逮捕された経緯について。
「間宮本部長と共に逮捕されたのは、3代目弘道会直参・浜健組(本部・名古屋市)の浜田健総長と伊藤直記組長です。今年4月、浜田総長が東京都港区内の路上で元組員の男性とバッタリ出くわした際に、“破門された立場でノコノコと。オレの前に顔出すんじゃねえ”などと言い、さらに5月には伊藤組長が間宮本部長の意を受け、“本部長が動くってことは、(3代目弘道)会が動くってことだ。どうケジメつけるんだ”などと伝えたとされています」
と、担当記者。それらの行為が、組織の威力を示して脅迫したとの疑いがもたれているというわけだ。
名前を勝手に使ったとされる組長は
通りを歩いているだけで本部長までもが「動く」というのは随分大袈裟な話に聞こえるのだが、実際はどうだったのか?
「浜田総長が自分のところの若い衆と都内で遭遇した際に、伊藤組長に“破門した奴がウロチョロしてるみたいだぞ”と電話したようです。それを受けて伊藤組長は間宮本部長の名前を出して相当カマシを入れた(脅した)ようなのですが、実際のところ、間宮本部長は名前を使われただけだということです」
と、竹垣悟氏(元山口組系義竜会会長で、現在はNPO法人「五仁會」を主宰)。では伊藤組長はなぜ間宮本部長の名をかたったのだろうか?
「伊藤組長と間宮本部長との間柄はとても良いと聞いていますが、なぜ名前を出したのかはよくわからないのです。破門した若い衆と遭遇して浜田総長が激高したあたり、かつて若い衆に苦労させられたとの思いがあったのかもしれませんが、破門したのはもう随分前のことのようで、そこにいら立つというのも大人の態度ではないような感じがありますね。浜田総長は現在82歳。しかし私が竹中組にいるころから、“血の気の多い人”ということでよく知られていた人物でした」(同)
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