処理水放出で“地球のご冥福を祈ります”…「49歳有名歌手」の振る舞いに韓国人がショックを受けたのはなぜか

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かつてはキリンビールが「最も好き」と語るも…

 しかも、もともと日本好きとして知られていた。彼女は2016年、大阪を訪問し、有名な飲食店で日本の食べ物を満喫するテレビ番組に出演していた。今でもユーチューブでその映像が確認できるが、視聴者にむけ日本の食べ物を積極的におすすめし、彼女が日本人の店員に日本語で話すシーンもある。2018年にも、日本旅行で撮ったという食べ物の写真をSNSに掲載し、「今日やっとゾンビから人間に戻ったという気がする」とコメントしている。キリンビールの写真とともに「最も好きなビール店」と語ってもいる。

 それが一転して今回の発言。処理水の放出を認容する側は、キム・ユナの日本旅行をやり玉に挙げて、「放射能中毒が怖いから大好きな日本旅行はもう無理だよね」「日本政府にキム・ユナの永久的な入国禁止を要請する」「一貫性のない政治性向で国民を扇動するな」といったコメントが、インターネットニュースやコミュニティ、SNSなどに溢れた。

政府も「常識のない芸能人が多すぎる」

 対してキム・ユナは、「うわああ!!!。噂で聞いていた(自分を批判している)方々が来てくださるなんて、久しぶりだね」と皮肉たっぷりのコメントで応酬。9月3日にソウル漢江(ハンガン)公園で開かれたロック・フェスティバルでは、観客がアンコールを求めると「国がやらせてくれない」と、海洋放出を許す政権批判ともとれる発言をし、波紋がさらに大きくなった。

 そしてキム・ユナ発言は政界に飛び火する。与党の国会議員、金起顯(キム・ギヒョン)代表は9月12日「最近あるバンドのメンバーが汚染処理水について『地獄について考える』といったのを聞いた。常識のない芸能人が多すぎるのではないか」と述べ、彼女の発言を問題視した。

 9月13日、キム・ユナの所属事務所は「最近話題となっているキム・ユナのコメントに関し、これは決して政治的な立場を表明しているのではなく、環境汚染に対する憂慮と遺憾の意を語ったことを明確に申し上げる」と発表した。キム・ユナが政治論争に巻き込まれることを望まないということだった。

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