「ビッグモーターはなくなる」 スポンサーを募集も「社名を残すメリットはない」、兼重前社長は逃げ得?

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 くめども尽きぬ不正の泉、ビッグモーター。兼重宏行前社長(72)の会見から2カ月、事態に収束の兆しが見えないどころか、ついに“身売り”も取り沙汰され始めた。ドロンを決め込む創業者一家の逃げ得など無論、あってはならないが――。

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「うちは騒動のあと、すでに10人近くが辞めています。転職活動を始めた社員も少なくありません」

 そうため息をつくのは、都内の同社コールセンターで働く現役営業部員である。

「ただ、もともと他社と比べて歩合制が充実していたこともあり、いつか立ち直るかもしれないと考え、辞めない社員もいます」

 一縷の望みにすがる気持ちは分からぬでもない。が、“母屋”が音を立てて崩れているのは明らかだ。

苦境の中で“スポンサー探し”を発表

 9月15日には、賃料に耐えかねて本社移転を発表した。移転先は東京・多摩店。自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏によると、

「“メガ店舗”と呼ばれる大きな店で、六本木ヒルズに本社を構えるまでは、多摩店の2階に本社機能、営業本部がありました」

 まさしく出戻り。8月の中古車の売り上げが例年と比べ7割減、買入も5割減とあっては、なりふり構っていられるはずもない。

「和泉伸二社長は各地の店舗を回って、現場社員に謝罪と激励の行脚をしているようです」(同)

 目下、急場しのぎの現金集めに追われている。在庫車両をオークションで売り払い、所有する土地や同業「ガリバー」の保有株式の売却まで検討。8月には90億円の借り換えを拒絶され、もはや銀行からも見放されている。到底、まっとうな企業の体をなしているとは言い難いのだ。

 そんな最中に“スポンサー探し”が発表された。その真意は何か。

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