「どの口が人権を?」の声も 「ジャニーズ批判」で注目 結婚4回「新浪剛史」サントリーHD 社長「お気に入りの女性を秘書にして結婚」
「新浪ショック」
サントリーHD社長で、経済同友会トップでもある新浪剛史氏(64)の影響力は絶大だった。彼がジャニーズの性加害問題を激しく非難したことによって、「ジャニーズ離れ」は一気に加速。一声で多くの他企業の動向を決した財界の大物、新浪氏の存在は、経済ニュースにはあまり興味がない向きにも広く知れ渡ることになったといえるだろう。その素顔をのぞいてみると、「パワハラ体質」「結婚4回」など意外な経歴が浮かび上がってくるのだった。
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「調査の内容や対応が不十分で、真摯に反省しているかどうか疑わしい」
「チャイルドアビューズ(子供への虐待)を企業として認めることになる」
9月7日にジャニーズ事務所が開いた会見について、痛烈に批判した新浪氏は、さらに朝日新聞のインタビューで、ジャニーズのタレントが出演するテレビ番組のスポンサー契約を見直すことも「あり得る」と明言。一連の言動が企業の「ジャニーズ離れ」を決定付けたことは明らかで、スポーツ紙には「新浪ショック」の文字も躍った。
慶應大学卒業、三菱商事入社、ローソン社長に就任、そして請われてサントリーHD社長に転身という輝かしい経歴を誇る新浪氏は、これまで「45歳定年制」を提唱したり、「結婚していなければならない(社会の)制度で本当にいいのかどうか」と結婚前提の社会制度に疑問を投げかけたりと、その発言は波紋を呼ぶことも多い。
全国紙の経済部記者はこう解説する。
「新浪さんはゼロからイチを生み出すのではなく、誰かが発明したものを拡声器で宣伝するのがうまい人、という印象です。実際、45歳定年制にしても、元々は東大の教授が言っていたことの改変で、新浪さんのオリジナルではありません」
経済財政諮問会議における議論でも同様の側面が見られるといい、
「例えば安倍晋三元首相はリフレ派で、金融政策をこうするんだ、という信念がありました。しかし、新浪さんにはそういう意思はない。諮問会議の議題の資料は官僚が作成していますが、彼ら事務方が主張してほしいと考えていることをうまく言うのが新浪さん。だから役人に重宝されるのです」(同)
こうした傾向は今回のジャニーズ批判にも見られるということだろうか。
「この状況でジャニーズのタレントを使うことは人権意識の強い海外の常識からみるとまずいんじゃないかという議論は元々ありましたが、新浪さんが発言したことで他の企業も追随した。パフォーマーとしての影響力は甚大です」(同)
あだ名は“荒波”
結婚制度に疑問を抱いているからというわけでもないのだろうが、新浪氏にはこんな知られざる一面もある。知人の一人が言う。
「新浪氏に4度の結婚歴があることは彼の周囲ではわりに知られています。ただし、全員と入籍したかは分からず、内縁関係のまま別れてしまった相手もいるかもしれません」
もちろん、それ自体は経営者としての評価を下げるものではあるまい。が、今回の新浪氏の発言を聞いて、元部下からは「どの口が言うか」といった声も聞こえてくるのだ。かつて彼が社長を務めていたローソン元社員の話。
「新浪さんはローソン時代に気に入った女性を秘書にして、その人と結婚した、と聞いています。その人が4人目の奥さんでしょう」
元社員が続ける。
「ローソン社長時代の新浪さんの幹部クラスでのあだ名は“荒波”でした。直情型ですぐにブチ切れて人を怒鳴りつけるなどのパワハラ気質がひどかったからです。秘書にした女性社員と結婚する、といった女性関係も含めて、“どの口が人権なんて言うの?”と思っているローソン関係者は多い」
9月28日発売の「週刊新潮」では、「財界の大立者」となった新浪氏の人物像を4ページにわたってレポートする。