7年ぶりの歌舞伎「俳優祭」チケットが4倍に高騰の理由は? 開催の背景に香川照之と猿之助のスキャンダル
コロナ禍を経て、歌舞伎と新派の人気者が一堂に会する「俳優祭」が7年ぶりに復活する。
【写真10枚】29年前、慶應大1年生だった猿之助。やはり現在とは雰囲気が全く違う
歌舞伎担当記者が言う。
「これまで東京・東銀座の歌舞伎座が主な会場でしたが、今回は10月末に閉館する国立劇場です。平日の9月28日の開催ながら、2万円の1等席は7日にチケットが発売されるや、昼の部・夜の部ともに即日完売。現在はネットで7万から8万円という、定価の4倍以上の高額転売でも買い手がつくほどの超人気ぶりですよ」
主催は歌舞伎と新派の俳優らが所属する日本俳優協会。第1回は昭和32年で、当時会長を務めていた二代目市川猿之助が音頭を取り、東京体育館で開催したのが始まりとされる。
「当初は協会の運営資金を集める目的でした。その後、集まった資金は俳優たちの福利厚生基金として活用されるようになり、徐々に参加者が増えたそうです」
普段ならあり得ない役柄での登場
60年超という歴史にあって、開催は今回が39回目。歌舞伎の演目は市川猿之助の代役で脚光を浴びた、市川團子が出演する「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」の加茂堤の場と、若手御曹司の市川染五郎や尾上松緑らによる吉田社頭車引の場。ほかにも、これまで名優たちが演じた数々の名場面が紹介される「映像でふりかえる初代国立劇場の思い出」の上映や、30人以上の俳優が出演する舞台「戯場八景名残隼(ゆめのくにへようこそありがとうこくりつ)」が予定されている。
「『加茂堤』には團子のほか、片岡仁左衛門の孫の千之助が登場。『車引』は尾上松緑も登場し、息子の左近との親子共演に。舞台『戯場八景~』には市川團十郎をはじめ、中村芝翫、松本幸四郎、片岡愛之助、中村獅童、中村勘九郎、中村七之助、市川中車(香川照之)といった人気者が名を連ねています。普段ならあり得ない役柄での登場も話題ですね」
俳優が店頭に立つ「お楽しみ模擬店」にも、ファンが期待を寄せているそうだ。
「俳優たちが、販売を担うとの趣向。現時点では染五郎のイラストTシャツ、尾上右近のイラスト入りトートバッグの販売が決定済み。運が良ければ、お目当ての俳優の手から商品を受け取れるかもしれません」
ほかにも、俳優との触れ合いが可能なゲームコーナーや、サイン色紙や隈取の展示即売会も。すでに大混雑が予想されているが、日本俳優協会が7年ぶりの開催に踏み切った背景には、歌舞伎界が抱える深刻な懸念があるという。
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