なぜネズミは太らない? コカインより依存度が高い「砂糖中毒」… 科学的な食欲抑制術をプロが解説!

ドクター新潮 ライフ

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炎症反応を抑える食事

 また、炎症反応を抑える食事も効果的です。食事で摂取した脂肪分が脂肪組織の中に蓄えられている分には問題はありません。しかし、脂肪組織のキャパシティー(容量)を超えてしまった脂肪が溢れ出すと、それが肝臓や心臓に運ばれてしまう。これを異所性脂肪と言いますが、異所性脂肪が炎症反応を起こすと、血管や神経を傷めつけ、体にとって毒になります。脂肪の取りすぎで異所性脂肪が慢性炎症状態になることで、さまざまな生活習慣病が引き起こされるのです。なお、認知症もこの炎症反応と大きく関係していることが分かっています。

 そう考えると、仮に異所性脂肪になってしまったとしても、炎症反応を起こさせなければ肥満による問題は発生しないことになります。

トマトは毎日食べてもいい食材

 まず、GLP-1には炎症を抑制する効果があることも明らかになってきていますので、その意味でもタンパク質や脂質を取ったほうが、炎症が起こりにくいと考えられます。

 他には、例えばトマトに多く含まれるリコピンには抗炎症作用があります。ですから、トマトは毎日食べてもいい食材といえます。その他では、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンや、ショウガやネギ、ブロッコリーに含まれるケンペロールなどのフラボノイドにも抗炎症作用があることが分かってきているのでお勧めの食材です。なお、ケンペロールには抗がん作用や抗うつ作用があることも報告されているので、ショウガやネギ、ブロッコリーは今後「健康食材」として改めて注目される可能性があり、要チェック食材といえるでしょう。

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