「とにかく女性最優先だ!」で進んだ内閣改造 それでも「副大臣・政務官女性ゼロ」だったマヌケな理由とは?
エッフェル塔ポーズの影響
「これは極端な話ですが、推薦リストに載っていた男性閣僚候補が身体検査ではねられた結果、同じ派閥の女性が食い込んだというケースがありましたね」(同)
さまざまな意見がある中で、官邸の意向通り、女性閣僚は過去最多となったものの、その後に発表された副大臣・政務官では女性ゼロとなった。
「あれだけ閣僚内の女性数にこだわったのになぜ? と感じました。バランスが悪すぎますよね。官邸の関係者に聞くと、“リストにしてみるとわかるが、そもそも女性議員が少ない”と言い訳交じりに言っていました。エッフェル塔ポーズで女性局長を辞任した松川るい氏はあの件がなければ副大臣以上は間違いなかったとされています」(同)
実際、そのバランスの悪さは世間受けも悪く、一連の人事後に行われた世論調査で新閣僚らに期待する声は大きくなかった。
「なかなか世間の目は厳しかったですが、それも当然だろうと思いました」(同)
副大臣・政務官で女性ゼロの理由
「適性のある女性の数が少ないと言うなら、連立を組んでいる公明党に声をかけて何人か副大臣・政務官をやってもらうということは可能だったと思います。公明党や支持母体の創価学会にとっても渡りに舟だったことでしょう。公明党の山口那津男代表は報道番組で、“(副大臣・政務官人事で女性の起用がゼロだったことに関して)、全体が出そろったところでバランスを考えた判断があっても良かった。任命権者の教訓とすべきだ”と述べました。まさにその通りで、首相の秘書官ら側近がひとこと言えばよかった話かなと思います。“女性閣僚にこだわりすぎているけど、副大臣・政務官人事はこれで良いのか?”などと指摘していれば、こんなことにはならなかったはずです」(同)
にわかには信じがたいが、「副大臣・政務官の女性ゼロ」問題は、岸田首相周辺の「うっかりミス」が主たる原因のようなのだ。
そもそも性別を理由に内閣人事を云々することの限界を指摘する声も根強くある。いまさら女性閣僚だからというだけで喜びハシャぐ有権者も少ないだろう。多くの国民が求めているのは能力第一で選ぶことに違いない。もっとも、それがどんぐりの背比べだからこそ、こういうことになるのかもしれないが……ともあれ、人心一新で内閣支持率を上昇傾向にとの目論見は失策もあり崩れ去ったということになる。
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