孫正義が買収した「ARM」時価総額は約8兆円! 超ド級上場だが中国を巡る「大きなリスク」も

ビジネス

  • ブックマーク

死角は?

「インフィニティ」のチーフエコノミスト・田代秀敏氏も言うのだ。

「これからのIT産業はARMとAIに強い米エヌビディアがけん引していくとみられています。その並外れた期待の大きさが時価総額に表れているともいえます」

 死角がないわけではない。同社が米SECに提出した目論見書によると売り上げの4分の1が中国からのもので、SBGが株の約半分を握る「ARMチャイナ」を経由してビジネスを行っているとある。

「ところが、SBGはARMチャイナを掌握しているとはいえず、ARMチャイナの元CEOが経営権を巡って裁判を起こしています。なりゆきによっては、大きな損失を被るかもしれません」(前出の証券会社幹部)

 ド派手に見えて危うい「船出」なのだ。

週刊新潮 2023年9月21日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。