イタリアに行くと「日本は超貧乏国」と痛感… 豊かになるために転換するしかない“政策”は

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 日本にいると、他国にくらべて日本人の賃金が低いことを実感しにくいが、いま海外に行くと痛感する。なにもかもが高いからである。そのことを報告したいのだが、その前に、日本人の賃金がどれほど低いのか確認しておきたい。

 各国の平均年収はOECD(経済協力開発機構)が公表している。先進諸国を中心とする加盟38カ国のデータにかぎられるが、概ねそれで不足はないだろう。

 2021年の統計を見ると、日本は3万9,711ドルで全体の24位。下位に甘んじている。アメリカの7万4,738ドルはもちろん、スイスの6万8,957ドル、オランダの6万923ドルにも大差をつけられている。ドイツの5万6,040ドル、カナダの5万6,006ドル、イギリスの4万9,979ドル、フランスの4万9,313ドル、イタリアの4万767ドルより低く、すなわちG7のなかで最下位である。

 もっとも、2000年の統計でも、日本の3万8,823ドルはG7で最下位だったのだが、問題は、2000年当時は日本より平均賃金が低かった国が、2021年には続々と日本の金額を抜いていることだ。

 3万7,155ドルだったアイルランドは5万1,045ドル(上昇率37.38%)、3万6,018ドルだったイスラエルは4万2,165ドル(同17.07%)、3万5,613ドルだったスウェーデンは4万8,951ドル(同37.45%)、3万2,802ドルだったニュージーランドは4万6,976ドル(同43.21%)、2万9,550ドルだったスロベニアは4万3,992ドル(同48.87%)、そして2万9,505ドルだった韓国は4万2,747ドル(同44.88%)に上昇し、日本を抜き去った。

 一方、日本の上昇率は2.29%にすぎないから、相対的に賃金が下がっていくのは当然だ。2000年時点で日本よりずっと上位にいた国も、賃金上昇率はアメリカが29.98%、オランダが10.45%、ドイツが17.66%など、日本にくらべてはるかに高い。文字どおり日本の一人敗け状態である。

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