楽天「松井裕樹」のFA移籍はあるか デーブ大久保監督時代の“恩”で巨人説が流れる背景

スポーツ 野球

  • ブックマーク

今季で4年契約も終了

 松井はどうなるか分からない。彼ほどの好左腕が「動く」となれば、セ・パ11球団も興味を示すだろう。

 しかし、昨年11月の契約更改でのことだ。松井は「通算200セーブ」やWBCに関する質問には饒舌に答えていたが、4年契約終了後のことには首を振るだけだった。当時は「4年契約が満了するのと同時に海外FA権を取得。メジャーリーグに挑戦するのか?」との見方もあったが、それはWBCの舞台で“全否定”される。

「大会公式球、つまり、メジャーリーグで使用されているボールに対応できず、苦しみました。松井もWBCに向けて公式球で練習してきましたが、将来のメジャー挑戦を目標にしている投手はオフの間、MLB公式球を使うなどして準備を進めています。壮行試合、WBC本番でコントロールミスが続いていたところから察するに、松井はメジャー行きの準備はしていない、そういう希望は持っていないとみるべきでは」(NPB関係者)

 実際、松井がWBCで登板したのは1試合のみだった。

「MLB挑戦の気配」が感じられないためか、根強く囁かれているのが国内での巨人移籍だ。元楽天監督だった大久保博元・打撃チーフコーチ(56)の存在がその根拠とされるが、松井が大久保コーチを信頼するのは、相当な理由があるからだという。

「2015年春季キャンプの後半だったと思いますが、一軍指揮官として初めて臨む大久保監督と松井は、トコトンまで話し合っているんです」

 当時を知る球団関係者がそう言う。

 松井は2014年のルーキーイヤーから一軍マウンドを経験した。27試合の登板機会を与えられ、4勝8敗3ホールドの成績を残している。高卒ルーキーとしては立派な数値だが、翌15年のキャンプでも実戦形式の練習が増えるにつれ、松井の「クローザー抜てき案」が聞こえてくるようになった。

「松井は、宿舎ホテルの大久保監督の部屋の前で待っていました。監督はチームスタッフや本社職員との会食で、出掛けていたのです」(前出・関係者)

 松井は「ご相談したいことがあります」と、直立不動で頭を下げたという。大久保監督はお付き合い程度だが、お酒も呑んだ後。だが、松井の真剣な表情を見て、「指揮官と選手が個別に話をするのは良くない。でも、一先輩としてなら」と前置きをして、松井を部屋に入れてやった。松井から語られたのは先発願望であり、自身がリリーフで起用される理由が知りたいというものだった。

「大久保監督はチーム事情と、強いボールを投げられる松井の長所を伝えたそうです。この年、松井は3勝2敗33セーブ12ホールドという好成績を挙げてチームに貢献しているので、大久保監督には恩義を感じているし、信頼しているのです」(前出・同)

次ページ:松井はメジャーでもいける?

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。