「多様性」が招いた社会混乱… 人権大国フランスの暴動から日本が学ぶべきこととは?

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日本は移民、難民を受け入れるべきなのか

 人権や多様性を諸外国に訴えるのは一見、聞こえがいい。しかし、それは本当に「人権的」な行為といえるのだろうか。現在のフランスの多様性は、「歓迎する側」の都合に合わせることを要求しているに過ぎず、必ずしも「歓迎される側」にとっての幸福につながってはいないように映る。

 私はいま、地球の反対側から日本を眺めている。その日本は、欧州などから移民や難民政策の緩和を求められているが、今後も従来の方針を維持し、西洋諸国の批判に屈してはならないと私は考える。それは、排外主義ではない。

 救済が必要な人々は間違いなく存在する。しかし、彼らを無闇に異文化圏に招くことで、逆に彼らは居心地の悪さを覚え、社会に悪循環をもたらす可能性がある。事実、いまのフランスは「多様性」が「対立」を招き、現場射殺という名の「死刑」が横行する事態にまでなっている。これが過剰な人権を唱えてきたフランスの現状であることを、日本は知っておいたほうがいい。

宮下洋一(みやしたよういち)
ジャーナリスト。 1976年生まれ。米ウエスト・バージニア州立大学卒業。バルセロナ大学大学院で国際論修士、ジャーナリズム修士。欧米での生活は約30年に及ぶ。『安楽死を遂げるまで』『ルポ 外国人ぎらい』等の著書がある。昨年12月には、フランスの現場射殺の問題も取り上げた『死刑のある国で生きる』(新潮社)を上梓した。

週刊新潮 2023年9月21日号掲載

特別読物「現場ルポ 『多様性』が招いた社会混乱 『人権大国フランス』の暴動から日本が学ぶべきこと」」より

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