「森喜朗の胸像」はどこに行った? 関係者は「1年以上その話題に触れていない」

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「胸像は出来上がった」

 しかも同文書で〈発起人〉として名を連ねるのは、19年のラグビーW杯組織委員会で会長を務めたキヤノンの御手洗冨士夫会長やJリーグ初代チェアマンの川淵三郎氏をはじめ、遠藤利明元五輪担当相、東京五輪・パラリンピック組織委員会元会長の橋本聖子参院議員、森氏の地元・石川県の馳浩知事といった顔ぶれだ。

 当時の事務担当者は“胸像は業者に発注済”と認め、企業団体やスポーツ関係者などから数百万円が集まったという話もある。

 改めて橋本氏に聞くと、

「ああ、それは分からないんですよ……。どこに置くのか全然分からない。設置場所も決まってないんじゃないですか。知っている人はいないんじゃないですかねぇ……」

 などと他人事な答えに終始した上で、こうも仰る。

「去年あたりに胸像は出来上がったと聞いていたんですが、どなたが保管しているか分からない。もう1年以上、その話題に触れたことはなかったので……」

 そこで森氏と同じく文教族の遠藤氏を直撃すると、

「胸像の台座とか、どこまで完成したか承知していません。しばらく話題になったこともなかったです」

 川淵氏に至っては、

「オレに聞かれても知らない。いずれラグビー場を建て替えるんだから、その時に入るんじゃない。オレは中心人物じゃないから」

「私が一番分かってないといけないのかもしれませんが…」

 ならばと発起人の代表格で、ラグビーW杯2019組織委員会事務総長を務めた元総務省事務次官の嶋津昭氏に尋ねてみると、

「私が一番分かってないといけないのかもしれませんが、制作中としか聞いておらず、担当者とも話をしていません。ミュージアムに設置するなんて話は最初から出ておりません。完成してから皆で相談します」

“偉大なる政治家”を顕彰するため立ち上がった発起人らが、一様に頬被りを決め込む始末なのだった。

 さるラグビー協会幹部が明かすには、

「当初は理事会でも胸像を新ラグビー場に設置すると聞いていましたが、新潮の報道以降、全国紙なども取り上げ、また五輪大会組織委理事だった高橋治之被告が受託収賄罪で起訴された影響か、不気味なほど話題にならなくなっています」

 ほとぼりが冷めるのを待っているのか、それとも……。お蔵入りで結構だが。

週刊新潮 2023年9月21日号掲載

ワイド特集「我ら役者は影法師」より

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