コンビニで「成人誌」を買う母の愛… 紗倉まなが訴えたい“ペット用品”の品揃え

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「購入を決めるのは飼い主」というジレンマ

渡辺:ドッグフードで思い出したんですけど、以前、ムツゴロウ(畑正憲)さんとドッグフードの商品開発をした際に怒られたことがあります。

紗倉:何があったんですか!?

渡辺:商品開発する上で、僕が心掛けているのは「お客様のため」です。ムツゴロウさんも喜んで共感してくれて、「犬は臓物が大好きだから、臓物系のドッグフードをつくろう」と提案されました。ところが、いざ試作品をつくってみたら、めちゃめちゃ臭いんですよ。激臭が部屋全体に充満するんです。メーカーからも「いくら犬が喜ぶとしても、この臭いでは飼い主が買わない」と言われ、たしかにその通りだなと。でも、それをムツゴロウさんに説明したら「お前、『お客様のため』だと言ってたじゃないか!」と怒られてしまいました。

紗倉:渡辺さんにとってのお客様は飼い主で、ムツゴロウさんにとってのお客様は犬だったわけですね。さすがムツゴロウさんです(笑)。

渡辺:「エンドユーザーは飼い主じゃなくて犬だろ!」と、たしかに仰る通りなんです。でも、やはり購入するか否かの判断は飼い主なので、結局、臭いがネックとなり商品化には至りませんでした。

紗倉:さすがに臭い商品は購入を躊躇いますね……。

渡辺:それに、ペット用の主食は価格が高くなりがちなので、どうしてもコンビニでは売れにくい傾向があります。おやつ系は売れるんですけどね。

紗倉:おやつ系ならば、水分補給用のゼリーはどうですか? コンビニであまり見かけないのですが、夏場にイッヌ様を散歩させているとき、コンビニにささっと立ち寄って買えたら便利だなと思います。

渡辺:ペットを繋ぐ専用ポールを設置しているコンビニも増えてますからね。でも、どうかな……その地域次第ですかね。都市部ならばニーズはあるかもしれない。

紗倉:これは実現してほしいです。

渡辺:ゼリーを置くかは別として「ペットの散歩途中」という視点はいいですね。新たな発想のヒントになりそうです。ほかにもペット用品に限らず、何かあったら聞かせてくださいよ。紗倉さんは作家として創作活動もやられていますから、興味深いアイデアが出てきそうです。いつか一緒に商品開発できたら楽しそうですね。

紗倉:楽しそう! こちらこそ、ぜひお願いします!

紗倉まな(さくら・まな)
1993年千葉県生まれ。2012年、工業高等専門学校在学中にSODクリエイトの専属女優としてデビュー。2015年には「スカパー!アダルト放送大賞」で史上初の三冠を達成。近年はタレント業のほか、エッセイ『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社)、小説『最低。』(KADOKAWA)、『ごっこ』(講談社)など執筆業においても非凡な才能を見せている。

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
消費経済アナリスト、流通アナリスト、コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務など幅広く活動中。フジテレビ『FNN Live News α』レギュラーコメンテーター、TOKYO FM『馬渕・渡辺の#ビジトピ』パーソナリティ。近著『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(フォレスト出版)。

デイリー新潮編集部

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