食と健康のプロ「漢方薬剤師」が、たとえ栄養が偏っても「ラーメン禁止」とは言わない深い理由
体によくておいしいものを
その上で、次のように語る。
「食パンが大好きな人には、たとえ行列に並んでもとびきりおいしいパンを買いに行ってほしい。ケーキに目がない人は、コンビニスイーツではなく有名店で購入してほしい。栄養面であまり体に良くないからといって排除するのではなく、そうした付加価値を上乗せしてもらいたいんです。そうやって食べるものを意識し、自分の置かれた環境の中で少しでもいいものを選ぶ。そのうちに店選びまで変わっていくはずです。3年くらい経つと、食生活のレベルが上がっているのに気づくはずです。常に“なぜこれを食べるのか”、“何の目的で食べるのか”を考える。具合の悪い時ほど、目的を最初に設定しておきたいものです。とりわけ、体調を崩しがちな夏や残暑の時期は、食事のメニュー選びの基準を明確にすることが大事です。午後から集中したいのであれば、昼食にタンパク質やビタミンB群が必要です。ちなみに私の今日の昼食は、里芋の豚汁とサバとモロヘイヤの和え物。料理をするときは体に良くて、しかも、おいしく食べられる工夫をしてほしい」
食べることは楽しみだ。そこに少しだけ健康についての思考も加えておきたい。