「うな重」や「カレー」「素麺」は要注意 「美人すぎる漢方薬剤師」が残暑を乗り切る“理想の食べ方”を伝授
とんかつはアリ
「ふつうのお酢を水で薄めてもいいし、炭酸で割ったり、レモン汁を垂らしてもおいしいですよ。リンゴ酢もいいですね。あと、お酢とオリーブオイルを1対1で混ぜて、塩やブラックペッパーを振るとドレッシングになるので、自分で作ってサラダにかけるとか。酢の物を作るのもお勧めです。ウナギに関して言えば、たとえば、きゅうりと和えた酢の物である“うざく”はとても理に適っています。うな重を食べる前に、そうしたサイドメニューを注文するといいですね。かば焼きの前に食べておくと血糖値の急上昇を避けることができます」
ウナギとともに、とんかつもサラリーマンに根強い人気がある。油でこんがり揚げたとんかつも、やはり避けるべきか?
「カロリーは高い料理ではありますが、血糖値に関しては基本的にキャベツが添えられているので、食物繊維がゼロのウナギより全然いいと思います。しかも、豚肉はビタミンB1が摂れるので、私は定食を頼むときは、味噌汁を具材がたくさん入っている豚汁に変更しています。夏バテ対策にとんかつはアリだと思いますよ。厳密にいうと、高温調理した油は“エイジス”という老化を促す物質がたくさん発生しているなど、よくない点も散見されますが、うな重やうな丼と比べると栄養バランスは良いかなと考えます」
メリットがないレトルト食品
一方、日本人の国民食・カレーにも注意が必要だという。暑さを吹き飛ばすためにスパイスの利いたカレーを食べたいところだが、
「市販の一般的なカレールーは小麦粉と油がたくさん入っているので、あまりよくありません。そもそも、レトルトカレーには油が多い。人間が摂らなければいけない必須脂肪酸には、オメガ3とオメガ6脂肪酸があるのですが、その摂取比率が大切なんです」
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率は、1対3くらいが理想的だそう。しかし、現代人は1対20くらいに偏っているそうで、
「体内で様々な炎症を抑える作用があるオメガ3が相対的に足りていません。炎症体質やアレルギー、たとえば、エアコンのカビでくしゃみをしたり、扇風機の前でむせていたりする人。他には、あせもや湿疹、頭痛や生理痛などが起こるとき、オメガ3が足りておらず、反対にオメガ6の割合が多いと悪化しやすくなります。“6”をなるべく控え“3”を摂ることを心がけていないとその比率は崩れやすくなる。“なんか調子悪いな”というときは、その比率が崩れている場合が多いのです。カレーそのものの油には、オメガ6が多く含まれていて、オメガ3は含まれていません。だから炎症傾向に偏りやすい。正直なところ、レトルトカレーやカップラーメンについては、栄養面を考えると、何を目的として食べる料理なんだろうと思ってしまいますね。空腹を満たす以外にメリットが見当たりません」
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