「俺がオリンピックってマジかよ」レスリング世界選手権で高谷大地が初の五輪出場権獲得 会見で気になった事が一つだけある

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 ベオグラード(セルビア)で行われているレスリング世界選手権で、男子フリースタイル74キロ級の高谷大地(自衛隊=28)が初めての五輪代表の座を射止めた。2012年のロンドン五輪と16年のリオデジャネイロ五輪に出場した兄・惣亮(ALSOK=34 )の背中を追ってきた高谷は、「俺がオリンピックだって。マジかよ、マジかよ」と喜びをあらわにした。【粟野仁雄/ジャーナリスト】

階級を上げて挑戦

 大会2日目の9月17日、初の五輪出場を賭けた高谷は、3位決定戦でギリシアのオルギオス・コウギオウムチディス(21)と対戦した。

 第1ピリオドの序盤にバックを取られるなど先制されたが、第2ピリオド30秒過ぎ、場外際での寝技のせめぎあいから相手を抱えて巧みに裏返し、一気にフォールに持ち込んだ。主審がマットを「バーン」と叩いて勝利を宣言するや、高谷は「ウォーッ」と雄叫びを上げ、ガッツポーズを繰り返した。そして米満達弘コーチ(37)を抱き上げた。ついに憧れのパリ五輪出場権を手にしたのだ。

 昨年は兄弟そろって世界選手権に出場したが、今回、兄・惣亮の姿はなかった。

 高谷は日本海に面した京都府京丹後市(旧・網野町)の出身。三兄弟の三男で、兄たちの影響でレスリングを始めた。網野高校から拓殖大学に進み、18歳で出場した2013年の全日本選抜選手権では、フリースタイル60キロ級で初優勝、「兄弟で五輪代表か」と注目を浴びた。翌14年の世界選手権は65キロ級で初出場し、7位だった。

 日本では軽いクラスは選手層が厚いため、競争は熾烈になる。次第に日本代表からも遠のいた。

 東京五輪に出場できなかったことで軽いクラスに見切りをつけ、パワー差の壁はあったが、思い切って階級を上げる決断をする。世界選手権に復帰した昨年は74キロ級で10位だった。減量も辛いが、増量も簡単ではない。しかし、74キロ級から86キロ級にまで階級を上げた兄・惣亮と同様、弟・大地も20代の半ばからでも体がグングンと大きくなれる体質だった。

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