立浪監督、オーナーとの密会で「清原入閣」直訴の本気度 中日選手と急接近の清原氏、年俸わずか2000万円の“美談”は秒読み?

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PLの先輩、後輩を超えた親密さ

 9月20日付のデイリースポーツの1面はプロ野球中日の来季ヘッドコーチ候補に西武、巨人などで主砲として活躍した清原和博氏(56)が挙がっていると報じた。同日、中日の加藤宏幸球団代表は「そのような事実はありません」と即座に否定した。過去に薬物使用で罪を犯した野球人の現場復帰は極めて異例で、記事は勇み足に終わるのか――。

 今夏、立浪和義監督(54)は名古屋市内の高級ホテルの料理店で、たびたび大島宇一郎オーナーと会食していたという。複数の球団関係者の話を総合すると、席上、チーム強化やコーチ陣のテコ入れが俎上に乗り、監督がオーナーに対し、大阪・PL学園高の先輩である清原氏の中日入りを直訴していたようだ。

 立浪監督はこれまでも清原氏をキャンプや始球式に呼んだり、名古屋の放送局での中日戦の解説の仕事を斡旋したりしてきた。清原氏は監督への恩義や感謝を口にするなど、2人の仲は高校の先輩と後輩の域を超えるような親密さだった。

 一方で清原氏は2016年2月に覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され、懲役2年6月(執行猶予4年)の有罪判決を受けている。

「監督はさすがに清原さんをスタッフとして迎えることまでは考えていないと思っていたが、そうではなかった。来年が言われているように3年契約の最終年なら、このオフは清原さんを呼ぶ最後のチャンスになる。球団社長や代表ではなく、オーナーに直接要望したところに監督の本気度が見て取れる」(古参の球団関係者)

 そして担当記者はこのタイミングでの報道を、こう読み解く。

「清原氏が監督に次ぐ要職であるヘッドで来るとなれば、過去の事件を理由にファンにはハレーションが予想される。まずは観測気球を上げて反応を見たというところではないか。来季の片岡(篤史)2軍監督のヘッド昇格と、井上(一樹)氏の2軍監督就任が基本線だが、清原氏の報道で好感触が得られれば何らかのポストで入閣する可能性はあるとみている」

次男「勝児」の甲子園出場で“清原ブランド”に脚光

 当の清原氏は球界復帰についてどう考えているのか。

「心の拠り所にしてきた息子さんたちも野球をやっている。球界に関わっていきたい気持ちは強い。名古屋での解説の仕事の際にはうちの選手を食事に誘っている。キャンプでの打撃指導でも反応は悪くなかった。選手の指導に向けて地ならしはできている」(前出の球団関係者)

 清原氏は薬物再使用の誘惑に加え、鬱病とも闘っている。元夫人の亜希さんはここに来て公私にわたって清原氏のサポートを始めるなど、崩壊していた家族の絆がよみがえりつつあるようだ。神奈川・慶応高の次男、勝児は今夏の甲子園大会で、父がPL学園高時代に一世を風靡した舞台でプレーし、脚光を浴びた。改めて“清原ブランド”を示す形になった。

「どん底に落ちた清原さんが家族の助けを借りながら更正していく様はストーリー性がある。デイリースポーツが清原さん加入による観客動員への好影響を挙げていたように、1軍の試合のグラウンドに姿を現すなら見たいと思うファンは多いと思う。紙面は清原さんの話題で持ちきりになるだろうし、親会社の新聞社の売り上げにもプラスになることは間違いない。監督としては自分の人脈でこうしたことに貢献すれば株は上がり、再来年以降の続投が見えてくる。清原さんは要請されれば、年俸など条件面は球団の言い値で引き受けるだろう。2000~3000万円のコストで、その何倍ものリターンが見込める。あとは清原さんが現場での指導に耐えられるコンディションなのかどうかということと、オーナーら親会社が腹をくくって方針を一本化できるかどうか」(同)

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