「テレ東音楽祭」にジャニーズ問題が甚大な影響 サントリー・新浪社長の発言で「日曜劇場」もピンチか

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遅々として進まなかった改革

 経済同友会代表幹事でサントリーHD社長の新浪剛史氏(64)は朝日新聞(9月16日付)のインタビューで、今後2、3カ月で同事務所の体制に改善が見られない場合、ジャニーズ勢が出演する番組のスポンサーを降りることもあり得ると話した。となると、サントリーがメインスポンサー4社のうち1社である「日曜劇場」にジャニーズ勢が出演できなくなる恐れがある。

 逆に言うと、同事務所が短期間で変革を成し遂げた場合、脱ジャニーズの流れは食い止められる。だが、現実には難しそうだ。

 同事務所内には大手レコード会社、ソニー・ミュージックエンタテインメント元執行役員の竹中幸平氏がいる。エンターテインメント業界内でキレ者として知られる人だ。竹中氏は7月1日付で顧問になった。ところが同事務所内に目立った変化はなく、社名変更すらなかった。

「会社はジュリーさんに権限が集中している」(現在もジャニーズ事務所の内情を知る元同事務所スタッフ)

 同日、CSR(企業の社会的責任)活動に詳しい元環境事務次官の中井徳太郎氏、ハラスメント問題のエキスパートである弁護士の藤井麻莉氏らも社外取締役に就いた。しかし、この人材も生かされていなかった。「外部専門家による再発防止特別チーム」によると、9月に入るまで取締役会が開かれていなかったからである。

 同事務所は19日、社名とジュリー氏の持株比率の変更などの可能性を公式ホームページで示唆した。国内外から猛批判を浴びたためだろう。10月2日に発表する。

 もっとも、泥縄式の対応をスポンサーや国際社会、世間が受け入れるだろうか。毎日新聞(9月18日付)の世論調査では、ジャニーズ事務所が信頼を回復できると思うかどうかを尋ねる設問で「できないと思う」が63%に上り、「できると思う」の18%を大幅に上回った。「分からない」は19%だった。

 広告などへのジャニーズ勢の起用を見送る企業が相次いでいることについては、「理解できる」と答えた人が60%、「理解できない」が28%、「分からない」が11%だった。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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