「テレ東音楽祭」にジャニーズ問題が甚大な影響 サントリー・新浪社長の発言で「日曜劇場」もピンチか

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「輝く!日本レコード大賞」は無傷か?

 温度差はあるが、NHKを含めた他局もジャニーズ勢と蜜月だったのは同じ。ただし、民放を支えているのはあくまでスポンサーであり、NHKも視聴者のために存在する。人気タレントを多数抱えていながら、ジャニー氏の性加害問題の解決までには程遠く、さらにガバナンスに問題がある同事務所との距離の置き方は悩ましいだろう。

「民放の音楽特番はほかのスポンサーを見つければいい」といった声が上がりそうだが、そう簡単ではない。

 タイムCM(番組を提供するスポンサーのCM)を流すとなると、費用の負担がかなり大きいから、新たなスポンサーを見つけるのには時間がかかる。見つからない可能性もある。TBS「日曜劇場」(日曜午後9時)はスポンサーになりたい企業が多く、順番待ちの状態と言われるが、そんな番組は滅多にない。

 もっとも、全ての音楽特番がスポンサーの脱ジャニーズの影響を受けるわけではない。「輝く!日本レコード大賞」(TBS)などのコンクールは無傷で済みそう。審査で選ばれたアーチストがジャニーズ勢というだけで排除されたら、アンフェアであり、今度は番組とスポンサーが糾弾されてしまうからだ。

「FNS歌謡祭」も内容が従来通りなら微妙

 影響が避けられそうにないのは「テレ東音楽祭」と同じく、制作者が任意で出演者を選べる祭典形式の音楽特番。夏と年末に放送されるフジテレビの「FNS歌謡祭」なども当てはまる。同番組の場合、今年はまず7月に放送されて、次は12月に編成される見通しだ。

 昨年12月の「FNS歌謡祭」は同7日に第1夜が放送され、同14日が第2夜だった。司会は「嵐」の相葉雅紀(40)と永島優美アナ(31)が務めた。

 第1夜には堂本剛(44)、関ジャニ∞、A.B.C-Z、ジャニーズWEST、Six TONES、Travis Japanが登場。第2夜にはKinki Kids、NEWS、KAT-TUN、Sexy Zone、King & Prince、Snow Man、なにわ男子が出演した。出場アーチスト計102組中、13組がジャニーズ勢。司会の相葉もそうなのは言うまでもない。こちらもジャニーズ色が濃厚だった。

 第1夜と第2夜のスポンサーには、花王、明治HD、サントリーHD、アフラック、サッポロHD、キリンHDなどが名を連ねた。いずれもジャニーズとの関係見直しを表明した企業だ。「FNS歌謡祭」も内容が従来通りであるなら、スポンサーは考え込むのではないか。

 今年7月12日の「FNS歌謡祭 夏」のジャニーズ勢は39組中5組。King & Prince、なにわ男子、NEWSなどが出場した。この時のスポンサーのうち、ジャニーズ事務所との付き合いを見直したのは明治HD、キリンHD、サントリーHD、アサヒグループHD、セブン&アイHD、日本マクドナルドだ。

 今後、特に注目されるのは、外国資本の比率が高く、子供たちと家族の支援を社是にしている日本マクドナルドと明治HD。明治HDの川村和夫社長は、スポンサーの集まりである「公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会」(旧日本広告主協会)の理事長だ。

 民放界に対するアドバタイザーズ協会の発言力は極めて強い。例えば、誰が番組を観ているのか分からない世帯視聴率 だけだった広告界に個人視聴率が導入されたのも、同協会の要請が理由の1つだった。

「もはや民放のTVerで稼げるのだから、スポンサーが降りても構わないのではないか」と考える向きもあるだろう。地上波のCMよりTVerのほうが儲かると唱える声が一部にあるからだが、見当違いだ。TVerの収入は地上波のCMの約30~50分の1。地上波のスポンサーが次々と降りてしまったら、民放は壊滅的な打撃を受ける。

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