ギャンブル依存症を告白したミケルソン、ガルシアは「札束を叩き付ける」ような行為で…2人のリブゴルフ選手に浮上した「カネの問題」

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「悪童」が改心したはずが…

 19歳でPGAツアーにデビューし、タイガー・ウッズと激しい一騎打ちを演じて脚光を浴びたガルシアは、それ以降、人が変わったように高飛車な態度を取るようになった。問題発言や問題行動が日に日に増え、「悪童」と呼ばれ、すっかり孤立していった。

 その後、母国スペインに帰り、半年ほど戦線離脱したガルシアは、やがて改心し、「僕は間違っていた」と涙ながらに語った。そして2017年のマスターズを制覇して大きな拍手と賞賛を浴びた。

 しかし、その後は、名声と脚光に溺れ、そして「お金の魔力」に取りつかれてしまったのだろう。リブゴルフの破格の移籍料に魅せられ、古巣のPGAツアーやDPワールドツアーの悪口を散々口にしたガルシアは、「早く向こうのツアーに行きたい。せいせいする」と捨て台詞も吐いて、リブゴルフへ移籍した。

 そして、10万ドルの罰金を拒み、DPワールドツアーのメンバーシップをさっさと返上しておきながら、いざライダーカップに出られないと知った途端、「100万ドルあげるから、僕にメンバーシップを返してよ」と平気で言い放った。そんな今のガルシアは、真っ当な思考力や判断力を失い、すっかり自分を見失っている。

「お金の魔力」は本当に恐ろしく、今はガルシアも暗黒時代の真っ只中にあるのかもしれない。願わくは、そんなガルシアに優しく手を差し伸べ、暗闇から救い出してくれる「誰か」の存在があってほしい。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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