ギャンブル依存症を告白したミケルソン、ガルシアは「札束を叩き付ける」ような行為で…2人のリブゴルフ選手に浮上した「カネの問題」

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 昨年6月にサウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」の支援を受けて設立されたリブゴルフは、ビッグマネーをエサに多くの選手を獲得してきた。そして今、大金に引き寄せられてリブゴルフに移籍した2選手のお金を巡る問題が話題になっている。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】

先陣を切ってリブゴルフへ移籍

 メジャー6勝、PGAツアー45勝を挙げたフィル・ミケルソン(53)は、米ゴルフ界では長年、タイガー・ウッズ(47)と並ぶ「ビッグ2」と呼ばれ、崇められてきたスター選手だ。一方、彼はいつの時代も爆弾発言や予想外の言動でゴルフ界を仰天させた「お騒がせ選手」でもあった。

 近年では、PGAツアー選手の先陣を切ってリブゴルフへ移籍したことが話題になった。その際、超破格の移籍料をオファーされたミケルソンは、お金の魅力、いや「お金の魔力」に取り付かれて、古巣のPGAツアーを裏切ったと後ろ指を指された。

 そして今年8月、ラスベガスの大物ギャンブラー、ビリー・ウォルター氏(77)が刊行した暴露本によって、ミケルソンのギャンブル癖が赤裸々に明かされ、米国のみならず世界中のファンを嘆かせた。

 かつてミケルソンのギャンブル・パートナーと言われていたウォルター氏が、インサイダー取引で逮捕・起訴され、禁固5年を言い渡されたのは2017年のことだった。

 刑期を終えて出所したウォルター氏は、今年8月に暴露本を出版。その中で「ミケルソンは何十万ドルという6ケタの賭けを何千回も行なった。この30年でミケルソンが賭けた総額は10億ドル以上。損失額は少なくとも1億ドル以上だ」と明かしたのだ。

越えてはいけない一線を越えた

 ミケルソンがギャンブル好きであることは米ゴルフ界では昔から知られていたが、PGAツアーの選手たちもリブゴルフの選手たちも、「これほどの大金が動いていたなんて……」と今回ばかりは仰天させられた。

 暴露された内容にミケルソンは沈黙を貫いていたが、9月18日(米国時間)、突然、長い長い告白文をSNSで発信。ウォルター氏の名前や彼が出版した暴露本に関しては一切言及せず、自身がギャンブル中毒に陥っていたこと、その治療を受けていたことを初めて公表した。

「僕は越えてはいけない一線を越え、ギャンブル中毒に陥っていた。(家族や友人からは)『あなたはここにいるけど、あなたの心はここにはない』と言われ続けていた。でも、そんな最悪な状態になったときでも、見捨てずにサポートしてくれるパートナーがいれば、人は救われる。僕には妻のエイミーがいた。彼女は僕の暗黒時代を支え続けてくれた。そのおかげで僕は今、正しい道に戻ることができつつある」

 ギャンブル中毒に陥っていることに気づいたのは、今から数年前のことだったそうだ。

「それから僕は、ギャンブル中毒治療のプロフェッショナルたちの手を借りて治療に取り組んできた。そして今は、ようやく心の中が落ち着いた状況にある」

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