初動のまずさが際立った東山紀之社長 キムタクや櫻井翔にも共通する「ジャニーイズム」の負の遺産
故ジャニー喜多川氏による性加害問題は、収まる気配を見せない。ジャニーズタレントをCMに起用している大手企業による「見送りドミノ」が続く一方で、テレビのレギュラーに関しては各局とも及び腰だ。故人と事務所を悪く言うことができるかどうかという「踏み絵」を踏ませられている所属タレントたちは災難だが、新社長となった東山紀之さんに対しても世間の目は厳しい。
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代表取締役となった藤島ジュリー景子氏や、ジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦さんと行った会見は、ジャニーズ性加害問題当事者の会代表の平本淳也氏からは「みごとな演技」「さすが役者さん」と手厳しく評された。東山さんの端正な見た目と語り口、一方で飛び出す「鬼畜の所業」「人類史上最も愚かな事件」といった大仰な言葉のギャップは、見ようによっては確かに時代劇のようだ。同席した井ノ原さんが、ルックスも話し方も東山さんに比べて朴訥としているだけに際立った。
さまざまな批判は重々承知の上で、東山さんは社長も会見も引き受けたのだろう。ただ大げさな言葉や淡白な態度をわざと使うことで、「さあ俺をめちゃくちゃに言うがいい。何時間でも甘んじて受けてやる」といった自己犠牲に身を投じた興奮もうっすら漂ってくる。おそらく当事者の会のコメントも、まるで舞台に出たような、陶酔まじりの自意識の匂いを嗅ぎとったから「みごとな演技」と言ったのではないか。
井ノ原さんは序盤で「『ジャニーさんだったらどうしただろうか』と考えることが一番危険」と発言していたが、皮肉にも東山さんの振る舞いは、ジャニー氏が喜びそうな虚構の輝きに満ちていたのではないか。少年ぽさ至上主義、という悪しきジャニーイズム。幼いナルシシズムである。
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