弘道会から本部通達があった「麻布十番のバー」での一件 「1人で酒を飲みに出歩くな」

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東京進出の功労者

「当時の弘道会は勢力拡大の目的地として東京方面に舵を切ったわけですが、進出の尖兵となり、功労者とされているのが小松舎弟でした。元々は新宿区内、弘道会参画後は港区内を縄張りとしていたようです」(同)

 彼が率いる小松組の名前は、6代目山口組分裂直後の2016年2月、新宿・歌舞伎町で発生した神戸山口組との抗争で取り沙汰されたことがあった。双方30名ずつ、警官は50名、パトカーも10台ほどが出動する騒ぎだった。

 その後、2020年に小松組の若頭が自身の組織を立ち上げるにあたって解散し、現在はひとり親方状態だったとされる。

「ひとり親方としてうまくやってきたヤクザがいないわけではないですが、もちろん子分もいないわけですから、どうしても見劣りしますね。数は力、力こそすべてのヤクザとしては致命的。なかなか難しい境遇にあったのかもしれず、何かしらストレスを抱えていたのかもしれませんが、都会のバーで酩酊し、カタギに暴力を振るってあげくに刃物で刺すとは常軌を逸しています」(同)

 同じく東京進出にあたって功労者とされる直参組長がいるが、現在は3代目弘道会の若頭補佐と組織統括委員長を兼ねている。2人のヤクザの明暗を分けたのはどういった点だったのだろうか。

デイリー新潮編集部

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