弘道会から本部通達があった「麻布十番のバー」での一件 「1人で酒を飲みに出歩くな」
殴ったり刃物で刺したり
6代目山口組の中枢をなす3代目弘道会からつい先日、異色の通達があったという。そのきっかけとなったのが東京・港区内のバーでの出来事。ヤクザがカタギを殴って刃物で刺すという何ともシンプルな傷害事件だった。
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今回、3代目弘道会が傘下組織に対して出した通達とは、《1人で酒を飲みに出歩くな》《来客がある場合には本部に報告せよ》といったものなのだという。
そのきっかけとなったのが、ある傷害事件だったという。担当記者によると、
「9月5日の午前4時ごろ、東京・港区麻布十番のバーで、男性従業員の腹を刃物で刺し、軽傷を負わせた疑いで暴力団幹部の男が逮捕されました。男はバーで2時間ほど飲酒した後、この従業員に絡んでトイレに連れ込み、殴ったり刃物で刺したりした容疑が持たれています」
この暴力団幹部は「酒に酔っていて覚えていない」などと供述しているようだが、この人物が3代目弘道会系の組員なのだという。
2004年に弘道会へ
「逮捕されたのは、3代目弘道会の小松数男舎弟です。逮捕後すぐ、“1人で出歩くな”とか“来客の場合の本部への報告”といった指令が出たそうです。規律に厳しい弘道会らしさが出ていると感じました」
と、竹垣悟氏(元山口組系義竜会会長・現在はNPO法人「五仁會」を主宰)。
「カタギの人間を刺している以上、小松舎弟は起訴されて懲役行きは免れないかもしれません。となると組織としても処分を下さざるを得ないでしょう」(同)
小松舎弟は元々、4代目山口組の中山勝正若頭が初代組長を務めた豪友会に籍を置いていたが、2004年に弘道会の直参となった。当時、彼は小松組の組長という立場だった。
2004年当時、弘道会は初代の司忍会長が率いていたが、2005年に2代目を譲り、自身は同年5月に5代目山口組若頭、そして7月に6代目山口組組長に就いている。
「小松舎弟が弘道会の直参となったのは組織内で大きな人事異動があり、組織をさらに拡大していったタイミングに重なります」(同)
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