強制捜査直前に秘書が“証拠隠滅”、議員の後援会名簿を盗んだことも… 再エネ汚職の秋本真利容疑者の知られざる過去
1千万円を受け取って、あっという間に辞めた
その本領は国政進出後にも垣間見られた。
秋本容疑者は初当選後、同じ法政大卒という縁から菅義偉前総理との結びつきを強め、後に菅氏を囲むグループ「ガネーシャの会」に参加し始める。
だが、ここでもひと悶着あったのだ。
自民党千葉県連関係者が、
「実は初当選後、秋本さんは平成研(現・茂木派)に3カ月だけ入会していたんですよ」
と、彼の“不義理”を回想する。
「当時、同派の事務総長だった故・竹下亘さんは、彼の選挙のために1千万円を陣中見舞いとして渡していたんです。ところが、入会したと思ったら、あっという間に平成研を辞めて、当時の権力者、官房長官だった菅さんのところに行ってしまった。平成研の代議士はカンカンに怒っていましたよ。その代議士からこの話を聞かされた河野さんは、“許してやってください”と頭を下げてきたと聞いています」
秘書から“罰金”を徴収
大派閥に後ろ脚で砂をかける一方、地元秘書には罰金を科していた。
「秋本が2期目の時だったか、地元の男性秘書がいつもタッパーに入った手弁当を食べていたんです。“メシ代出ないの?”と聞くと、メシどころか、罰金をとられて全く金がないと言うのです。遅刻したり、毎日の報告書に不備があったりすると秋本に罰金を科せられ、月15万円ほどの給料のうち、2万~3万円はもっていかれるのだと。その後、彼は辞めてしまいました」(先の支援者)
永田町と地元で横暴に振る舞っても、河野氏は秋本容疑者と関係を深めていった。
先の地元市議によれば、
「ある時、地元の市議選で秋本事務所から与党会派の候補者たちに一斉メールが届いたんです。“河野さんと遊説をしたい希望者はいますか”と。希望すると河野さんが事務所の前まで来てくださって、私のことを褒め、激励してくださる。なぜ秋本が河野さんを呼べるのか不思議でした」
秋本容疑者は「河野側近」としての地歩を徐々に固めていたのだ。
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