【阪神・オリックス優勝】「2位と5ゲーム以上の差ならCSは開催すべきではない」タイガースOBの持論に賛否 改めて聞くその根拠
下剋上の問題
広澤氏は「プロ野球は12チームしかないのに、全部で6チームがCSに進むのはおかしいと言わざるを得ません」と訴える。
「全12チームのうち半分がポストシーズンに進む権利を獲得し、日本一となる可能性を手に入れてしまうわけです。いくら何でも多すぎるでしょう。プロ野球が2リーグ制になったのは1950年です。パリーグの前後期制などの例外を除くと、かつてポストシーズンは基本的に日本シリーズだけでした。12チームから選ばれるのは、たったの2チーム。この厳しさが日本シリーズの価値を高め、シリーズを制して日本一になったチームの名誉を保証し、プロ野球の栄えある伝統を作ってきたはずなのです」
CSの問題点としてよく「下剋上」が挙げられる。デイリースポーツの記事が転載されたYAHOO!ニュースのコメント欄でも、下剋上には問題があるという広澤氏の見解に賛意を示す投稿は少なくなかった。
では、下剋上という観点から、それぞれのポストシーズンを見てみよう。まず、パ・リーグ独自のプレーオフ制度(2004~06年)やCSを実施する前のプロ野球で、「2位か3位のチームが優勝する」という下剋上は存在しなかった。セ・リーグもパ・リーグも6チームでペナントレースを戦い、共に優勝した2チームが日本シリーズを戦った。
MLBの場合は下剋上が起こる。ポストシーズンは、MLBの全30チームのうち、ア・リーグとナ・リーグの各6チーム、計12チームで争われる。進出できるのは、両リーグの西地区・中地区・東地区で優勝した計6チームと、地区優勝チームを除く各リーグで勝率が高い上位3チーム、いわゆるワイルドカードを獲得した計6チームだ。
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