「ヨドバシ」とタッグを組んで「そごう・西武」を買収 “ハゲタカファンド”本当の狙い
百貨店離れ
そもそも、セブン&アイがそごう・西武を子会社化したのは06年6月のこと。
「百貨店からスーパー、コンビニまでを網羅する戦略でした。そごう・西武を傘下に収めたセブン&アイは連結売上高で5兆3300億円を突破。イオンを抜き、小売業として首位の座に躍り出ました」
しかし、消費者の百貨店離れは加速していった。1991年に、百貨店全体の売上高は9兆7130億円を記録したがバブル崩壊以降は減少続き。新型コロナの蔓延が始まった20年は、緊急事態宣言による営業時間の制限も加わり、4兆2204億円という低水準だった。
「そごう・西武は23年2月期まで4期連続の赤字で、経営不振を脱することができませんでした。セブン&アイの井阪隆一社長は大株主である米アクティビスト“バリューアクト”から切り離しを強硬に迫られた。挙げ句、昨年2月にそごう・西武の売却に向けた1次入札を実施しました。それには、“ゴールドマン・サックス”といった外資系投資銀行や投資ファンドなど10社以上が名乗りを上げたのです」
最終的にセブン&アイから優先交渉権を得たのは、最高値の買収額を示したフォートレスだった。
「週刊新潮」2023年9月21日号「MONEY」欄の有料版では、フォートレスの目論見とそごう・西武の行く末について詳報する。
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