初公判で陳謝の「ガーシー」 BBCより早く「ジャニーズ性加害」を“スクープ暴露”も不発に終わった「自業自得」な理由
「肩、凝ってるね」
「俺が知ってた(ジャニーズ)ジュニアの子たちは“枕を投げられて当たったら(ジャニー氏の)部屋に呼ばれた”と聞いたこともあったわけよ。カウアン自体はそういうことは遭ってないの?」
ガーシー被告の質問が単刀直入で予想外だったのか、すこし戸惑いを見せた後、カウアン氏はジャニーズ事務所に入って間もない頃に体験した“ある出来事”を語り始めた。ちなみにカウアン氏は16~20歳までジャニーズに在籍。平野紫耀とは「同期」に当たり、ジャニー氏と最初に会ったのは入所年の2012年だったという。
「(事務所に)入って2~3か月経った頃、ジャニーさんの家に行った。ソファに座ってたら、ジャニーさんがマッサージしてきて……肩に。“凝ってるね”みたいな。“とりあえず、今日は僕の隣の部屋のベッドで寝なよ”と(言われた)」
その意味するところを理解していなかったカウアン氏が、この話を同じくジャニー氏の家にいたジュニアのメンバーにすると、「カウアン、来たね。がんばれよ」と笑いながら言われたという。その後、促されるまま隣室のベッドで寝ていたカウアン氏は夜中、何かがベッドに忍び込んできた感触で目が覚めたという。
「ジャニーさんが添い寝みたいなのを始めて……僕の太腿をマッサージし始めた。で、手がどんどん伸びてくる、みたいな感じで……触られましたね。……結局、咥えられて。その時、半泣き状態ですよ」
「動画も持ってる」
カウアン氏の告白は続く。
「最後までイカずに疲れちゃって寝ちゃった。(この手の話は)ジュニア内では笑い話にしていた。笑わないと、やってられないと(いった感じで)。正直(ジャニー氏による行為の)動画とか持ってるんですよ。さすがに自分の身を守らなきゃいけないと思って」
対談の終盤には「まさか、話す日が来るとは思ってなかった」と、カウアン氏にとって今回が初めての告発だったことを示唆。その一方で「ジャニーズには感謝しているし、人生変えてもらった身だから。ジャニーさんの愛情も感じるし。ホント、そこ(性加害)だけ。そこが傷になっている人もいると思うし」と複雑な胸中を吐露してもいた。
当時、リアルタイムで動画を視聴したジャーナリストがこう話す。
「ガーシー被告は対談のなかで“ジャニーさんがやってきたことって、絶対アカンねん。未成年の男性を部屋に連れ込んで……やってることはクソや”と厳しく批判しながらも、カウアン氏の告白の途中、何度かのけぞって笑う反応なども見せていた。また当時、すでに警視庁による名誉棄損や脅迫容疑などでの捜査が水面下で始まっており、ガーシー被告の言動に疑惑の目が向けられていたタイミングだった。そのため動画の内容も“色眼鏡”で見てしまったところがあった」
自身の「悪名」ゆえに告発が不首尾に終わったとしたら、“オオカミ少年”と変わらない。「ウソの正義よりも真実の悪」とのキャッチフレーズも結局、看板倒れに終わったことは確かなようだ。