初公判で陳謝の「ガーシー」 BBCより早く「ジャニーズ性加害」を“スクープ暴露”も不発に終わった「自業自得」な理由
「本当に申し訳ございませんでした」——19日に開かれた初公判でこう深々と頭を下げた前参院議員のガーシー(本名・東谷義和)被告。すでに「懲役刑の可能性が濃厚」とも伝えられるなか、取材する記者たちの間で“ある動画”の存在が改めて話題にのぼっているという。「ガーシー最大のリアル暴露だった」と囁かれる、その中身とは。
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「どれだけ謝罪をしても、過去はなかったことにはなりません。それでも私は一生をかけて謝罪を続けるつもりです」
YouTube上で俳優の綾野剛氏や実業家など3人を繰り返し脅迫したとして、常習的脅迫(暴力行為等処罰法違反)や名誉棄損の罪などに問われたガーシー被告は、初公判の場でこう神妙に述べ、「反省」を色濃くアピールした。
「脅迫した点についても素直に認めましたが、脅迫の『常習性』に関しては争う意向を示しました。名誉棄損や証人威迫といった罪だけなら罰金刑に落ち着く可能性もあるが、常習的脅迫罪が認められれば懲役刑は免れない。今後の被害者への弁償の行方にも関わってくるため、『常習性』の一点だけは否認する方針と見られます」(傍聴した全国紙社会部記者)
とはいえ、起訴内容は大筋で認めているため、一連のガーシー被告の暴露が「犯罪行為」だったことは立証される見通しだ。一方で久々に注目を集めたことで、ガーシー被告が過去に動画で告発した「ジャニーズ問題」がいま、秘かな論争の的になっているという。
「最初の実名告発者」と対談
その告発が行われたのは2022年11月。ガーシー被告が開設した有料オンラインサロン「GASYLE(ガシル)」で生配信された、リモート形式による対談動画内でだった。
今年3月、英BBC放送がジャニー喜多川氏の「性的搾取」を告発するドキュメンタリーを放映する約4カ月前にあたり、リモート相手は日本のメディアで「最初に実名告発」した元ジャニーズのカウアン岡本氏である。
配信当時はちょうど、タレントで元ジャニーズ事務所副社長の“タッキー”こと滝沢秀明氏(現「TOBE」代表)の退社や「King&Prince」のメンバーだった平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太の脱退情報が流れ、ジャニーズ事務所が揺れていた時期だった。そのため、ガーシー被告は冒頭で、
「タッキーが辞めたり、キンプリ3人が脱退したりしたことで(これまでカウアン氏は)6年間ずっと黙っていたけど、TikTokで(ジャニーズの抱える問題を)すこし喋った。(すると)アンチが叩きに来た。彼(カウアン氏)から相談を受けた時に“それは振り切ってないからや。中途半端にモノ喋るとジャニーズファンが絶対叩きに来る。今日対談しよう”という話を急に決めた」
と経緯を説明。2人が以前から知り合いだったことが明かされた後、話はすぐに核心部分へと向かう――。
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