巨人にとっては屈辱、阪神にこれほどなめられた年はないと思う理由【柴田勲のセブンアイズ】

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屈辱の1年だった

 巨人は残り10試合、DeNAとの直接対決を4試合残している。これが救いだが、20日からは甲子園で阪神2連戦だ。

 今季の対戦成績は5勝17敗1分だ。カード勝ち越しはない。巨人は阪神にいいようにやられている。

 12日からの甲子園3連戦は3連敗、14日は岡田監督の胴上げを眼前で見せつけられた。屈辱の1年、これほど阪神になめられた年はない。

 巨人は空中戦で挑もうにも、阪神投手陣がいいから空中戦にならない。17敗のうち3点差以内が14試合あったが、競っていたと見えても結局は投手力の差が歴然としていて突き放された。

 20日からの阪神2連戦は巨人にとって逆転CSへの関門になる。優勝直後なら阪神も主力を休ませ、投手陣を無理して使わない。こんなことがあったかもしれない。だが、優勝から1週間だ。岡田監督はCSを見据えている。手綱を緩めないだろう。おまけに甲子園では2勝9敗と散々だ。

 23日は東京ドームで広島戦、そして24日から横浜でDeNA3連戦だ。その前に阪神にはなにがなんでも連勝してほしい。

 10月4日はDeNAとの最終戦、果たしてその時どうなっているか。残り10試合、巨人から目が離せない。(成績は19日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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