巨人にとっては屈辱、阪神にこれほどなめられた年はないと思う理由【柴田勲のセブンアイズ】
大勢の登板に疑問の声
さて逆転クライマックス・シリーズ(CS)進出を狙う巨人だ。17日からのヤクルト2連戦(東京ドーム)、初戦は9回に門脇誠のプロ初サヨナラ打が飛び出し、18日は延長12回、増田大輝が右中間へのタイムリーで試合を決めた。
2試合連続のサヨナラ勝ちは今季2度目だ。3位・DeNAとは2.5ゲーム差、残り試合は10、首の皮一枚残した。
DeNAも残り試合は10、2.5ゲーム差を引っ繰り返すには普通25試合は必要になってくる。まあ、時にそうでもないケースもあるが……現時点で巨人には厳しい。もうトーナメントと思って戦うしかない。
17日は2対1とリードした9回、2カ月半ぶりに登板した大勢が守り切れずに同点とされた。この登板に、「1、2回中継ぎで投げてからでもよかった」「いきなり1点差での登板はどうか」、こんな声が出ている。
四球が多い
実際、不調だった広島の栗林良吏は中継ぎを経て抑えに復帰している。
でも、これは結果論でね。ベンチにすれば、「大勢がファームで少しだけだが投げている。1回くらいならいける。球威があった。中川皓太の負担を軽くしてあげたい」。
こんな思惑とともに、巨人にすれば残り試合は少ない。大勢に早く自信をつけて守護神に戻ってほしいとのチーム事情もあった。
それに原辰徳監督はファームから上げたらすぐに使うというポリシーを持っている。今回は貫いたということだ。
それよりも嫌なのは相変わらず巨人投手陣に四球が多いことだ。18日、9回にマウンドに上がった中川が同点とされた。失点は1死から代打・青木宣親に与えた四球がきっかけだった。
この試合、巨人投手陣は申告敬遠1個を含めて10四球だった。特に中継ぎ、抑えが四球を出しては1、2点差で逃げ切ることは難しくなる。巨人の今季与四球数は388、阪神のそれは288だ。
シーズン最後の勝負所だ。巨人投手陣、致命的な「四球病」だけは避けてほしい。
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