シーズン終盤でまさかの大失速! 歴史的V逸に泣いた「巨人」「阪神」「南海」の悲劇
まさかのV逸に泣いた「2008年の岡田阪神」
今季は、阪神が2位以下に大差をつけて18年ぶりのセ・リーグ優勝を達成したが、過去には優勝を目前にしながら、最後の土壇場でまさかのV逸に泣いたチームもある。【久保田龍雄/ライター】
7月に早々とマジックが点灯したにもかかわらず、セ・リーグ史上最大の13ゲーム差をひっくり返されたのが、2008年の岡田阪神である。
同年、開幕5連勝とロケットスタートに成功した阪神は、5月3日に球団では2リーグ制以降最速の29試合目で20勝を記録するなど、首位の座をガッチリキープ。6月にも6連勝し、59試合目で40勝に到達すると、7月にも7連勝を記録して、オールスター前の同22日に早くもマジック「46」が点灯した。だが、北京五輪で藤川球児、矢野輝弘、新井貴浩の主力3人が抜けた8月以降、ペースが落ち、月間成績も9勝11敗と初めて負け越した。
一方、7月8日に13ゲーム差をつけられていた巨人は、9月10日の時点でも6ゲーム差あったが、翌11日から1分けを挟んで怒涛の12連勝。9月19日からの阪神との直接対決にも3連勝して、ついに同率首位に並んだ。
この間、9月3日に「Vやねん!阪神タイガース」と題した“優勝目前号”が発売され、筆者も執筆者として参加しているが、皮肉にも発売からさほど日を経ずして、優勝争いの様相は一変してしまう。
そして10月8日、阪神は巨人に1対3で敗れ、ついに首位陥落。巨人にマジック「2」が点灯した。それでも岡田彰布監督は「最後まで何があるかわからない」と一縷の望みを託したが、10月10日、巨人がヤクルトを3対1で下し、阪神が横浜に3対4と逆転負けした結果、原巨人の“メーク・レジェンドV”が実現。まさかのV逸となった岡田監督は同12日、「勝てなくて申し訳ない」と辞任を表明した。
くしくも岡田監督が再び指揮をとった今季は、15年前の悪夢を払拭するぶっちぎりの「Vやねん!」を実現した。
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