49歳夫が語る“仮面夫婦の深い悩み” お互い不倫中なのに、どうしても離婚はしたくないという妻の事情に同情も
一方、妻の家庭でおぼえた“違和感”
彼女の家でも養親は友好的だった。だが、玲佳さんも養親も確かにどこか遠慮しているような雰囲気があった。理屈でお互いを尊重しあい、温かい雰囲気を作り出そうとしていると、崇彰さんは感じたという。
「血がつながっているいないは関係ないのかもしれない。彼女の場合は、やはり養親ふたりともに対して遠慮があるんでしょう。自分の母親が生きていれば、それほど気を遣う必要はなかったかもしれないけど。それでもまっすぐ育った彼女に僕は敬意を抱いていましたよ。養親もいい人たちだった」
ふたりだけで早く家庭を作ろうと彼は彼女に言った。玲佳さんは「絶対に壊さない」と彼に全身を預けながら言った。
甘いといってもいい新婚生活だった。仕事以外はずっと一緒にいた。週末はふたりでテニスをしたり遊園地に行ったりもした。彼女はほとんど遊園地に行ったことがなかったという。
「子どもみたいに無邪気に笑っていましたね。楽しかったなあ、あのころは」
崇彰さんは遠くを見るようなまなざしになった。子どもがほしいと思ったが、玲佳さんはなかなか乗り気にはなれなかったようだ。自分の人生を考えると当然だったのかもしれない。
30代になると、ふたりに大きな転機が訪れた。
後編【「あなたの妻は男性秘書とデキています」 ある日、突然届いた怪文書に49歳夫が思ったこと】へつづく
[3/3ページ]