東山紀之引退で「必殺仕事人」は見られなくなるか 来年のお正月に放送されないかもしれない名物番組は2つ

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東山版「必殺仕事人」はどうなる?

 テレビ朝日の10月期改編説明会が13日、オンラインで行われた。取材した各社の記者の最大の関心事は、ジャニーズ事務所の創業者で2019年に亡くなったジャニー喜多川元社長の性加害問題の影響だった。

 年内で芸能活動を引退することを表明している東山紀之新社長(56)は、2017年から情報番組「サンデーLIVE!!」のMCを務めていたが、今月7日の会見で降板を発表。10日の同番組では野上慎平アナウンサーが代役を務めた。後任について同局は、「当面は局のアナウンサーで対応していく」と代役を立てない方針を明かした。

 また、同事務所所属のTOKIO・城島茂(52)がMCを務める「週刊ニュースリーダー」については、「現時点でMCを降板する予定はない」とし、物議をかもしている東西のジャニーズJr.が出演する同局のバラエティー「裸の少年」の番組タイトルについて「現状、変更する予定はございません」とした。

「東山さんの新社長就任に伴う年内の現役引退で、一番ダメージを受けるのはうちの局です。2015年から放送されている、東山さん主演の人気シリーズ『刑事7人』は今年6月の放送で9シーズン目を迎えました。東山さん演じる主人公・天樹が捜査班を引っ張る役なので、代役でシリーズを続けることは難しいでしょう。東山さんと長年共演していた役者陣にとっても残念な結果になりそうです」(テレビ朝日関係者)

 さらに、往年のファンからも関心を集めているのが、東山が07年から主演を務めている「必殺仕事人」シリーズ。「必殺~」は昨年、放送開始から50年となり、番組を回顧する関連書籍も刊行され、改めてシリーズへの注目が集まっている。

 東山が演じるのは本町奉行所同心、渡辺小五郎。面倒な仕事を避ける怠け者ながら、ひとたび仕事人の顔になると、見事な太刀さばきで、悪を斬る――。

「先代仕事人・中村主水を演じた藤田まことさんの後釜として、東山さんもすっかり“仕事人”のイメージが定着しました。スペシャルドラマで昨年と今年は1月に放送されましたが、現時点でまだ放送の話は出ていません。脇を固めるのがジャニーズの後輩、TOKIOの松岡昌宏さん(46)と、Hey!Say!JUMPの知念侑李さんということもあり、CMスポンサーの関係から、代役を立てての続編制作は厳しいのではないでしょうか。藤田さん時代からのファンもしっかりついた人気ドラマだけに、放送されないとしたら、残念ですね」(同)

 番組を製作する朝日放送の担当者に聞いてみると、

「先の番組内容や編成については、情報解禁日までお話できないことになっています。一般論として、来年1月放送ということであれば、製作にとりかかっているか、すでに完了している場合もありますが、今回はセンシティブな問題も含むため、放送するか否か、代役をたてるのかなど、現時点でお答えできる事はありません」

 テレビ出演についていえば、ジャニーズ事務所のタレントを起用しているCMスポンサーが続々と契約解除を発表している。それに伴い、CMスポンサーの収入で成り立っているテレビ各局に甚大な影響が及ぶのは当然である。

「もともと今回の問題の火付け役となったのは、英・BBCの特番で、国連まで被害の実態調査に乗り出しました。国際問題に発展しているわけで、海外でもビジネス展開する企業が、ジャニーズタレントを起用するのは非常に難しい。さらに、国内のみでビジネスを展開する企業も、顧客からの非難や苦情を避けられず、起用を回避し始めているのです」(全国紙経済部記者)

あの大型音楽番組はどうなる?

 ドラマだけではない。毎年、民放キー局は12月になると大型音楽特番を放送する。そこにジャニーズのCDデビュー組が大量投入されるのがおなじみの光景だった。

「9月7日に開かれたジャニーズ事務所の会見では、テレ朝の音楽番組『ミュージックステーション』に、ジャニーズとかぶるような男性アイドル的なグループが、長年、ジャニーズへの忖度で出演できなかったことが指摘されていました。しかし今年は、各局ともジャニーズの起用を控えることになるでしょう。そこで、ジャニーズグループの穴埋めでJO1、INI、BE:FIRSTら国内のグループ、そして男性K-POPグループの露出が増えることになりそうですが、各局の本音としては“苦肉の策”。毎年、フジテレビで生中継している東京ドームでのジャニーズ『カウントダウンコンサート』も、開催するとしても生中継はしないでしょう」(レコード会社関係者)

 そして、音楽番組の中で最も大きなダメージを受けそうなのが、大みそかに開催予定の「第74回NHK紅白歌合戦」だという。昨年の紅白では、初出場のなにわ男子、常連の関ジャニ∞、25周年のKinKi Kidsら、白組22組中、6組がジャニーズから出場している。

 ジャニーズから紅白に初出場したのは1965年のジャニーズ。以後、フォーリーブス、郷ひろみ(67)、田原俊彦(62)、近藤真彦(59)、シブがき隊ら歴代のデビュー組が出場し、東山新社長が少年隊で初出場した1986年と、光GENJIと男闘呼組が初出場となった88年に4枠を送り込んだのが最多だった。先のレコード会社関係者によると、1990年代半ばから、レコード会社枠で出場歌手が決まるようになり、ジャニーズからはSMAPとTOKIOの2組が常連となる。

「ところが、それまで複数の歌手を送り込んでいたレコード会社・エイベックスの衰退、演歌歌手を減らすNHKの方針などもあり、嵐が初出場した09年からいきなり前年の2枠から倍増の4枠になりました。その後、どんどん枠が増え、ついには昨年の6枠になりました。NHKが若い視聴者の取り込みを狙った結果、そうなってしまったのです。しかしNHKは視聴者からの受信料が制作費に回っているので、ジャニーズ勢を出場させた場合、抗議が殺到する事態になるのは火を見るよりも明らかで、制作サイドもそんなリスクは犯さないと思いますね」(同)

 昨年、JO1、BE:FIRSTは初出場を果たしているので、今年はEXILEが筆頭のLDH勢から数組が返り咲きを果たし、ここでK-POP勢が穴を埋めることになるのでは、と見られている。

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