「時給にしたら500円」「骨折してもそのまま運転」 低賃金、過労死ワーストのトラックドライバー、現場からの悲痛な叫び「僕たちの存在を感じてほしい」

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休日にハローワーク

 稼げなくなることを懸念するドライバーからは、「もう副業するしかない」との声も聞こえてくる。

「労働時間が減って給料が減るなら、もう副業するしかない。自分たちが空いている時間にできるのはギグワークだと思うので、今ウーバーイーツを検討しています」(30代、地場食品)

「自分は運転代行の副業を検討中です。このままだと24年以降、トラックドライバーの交通事故が多発するんじゃないですかね。今以上に休む時間を削って仕事するようになる」(50代、中距離、食品)

 さらに深刻なのは、「離職」を検討しているという声が続々と上がってきていることだ。

「40代後半です。20年ほどトラックドライバーをしてきましたが、これ以上稼げなくなるのなら、まだ転職できるうちにしておいたほうがいいと思い、休みの日はハローワークに通い始めている」(40代、中距離、雑貨)

「自分はこの業界に稼ぎたくて入ったが、働き始めた直後に規制緩和があり、年々稼げなくなるうえ労働環境が悪化。トラックは好きなので長時間労働は構わない。一方的に制限することがすべてのドライバーのためになると思ったら大間違いだ」(60代、中長距離、食品)

「働き方改革」は、労働者の労働環境を改善するための改革だったはず。とりわけ睡眠不足が常態化しているドライバーたちにとって、改革で生じる空き時間は「体を休めるため」の時間にすべきなのが、結果的に働くための時間に変わったり、ドライバーに離職を選択させるようなことになれば、もはや本末転倒以外の何ものでもない。

 2024年問題は、運送側の問題ではない。荷主側の問題なのだ。

「送料無料」は無料ではない

 この「荷主至上主義」は、企業間輸送だけでなく、よりわれわれに近い物流の「宅配」の現場でも起きている。宅配の場合、「着荷主」に当たるのは他でもない、われわれ「エンドユーザー」だ。

 宅配の現場でよく聞く「送料無料」は周知のとおり、本当は“無料”ではない。少ないながらに送料はかかっている。

「送料込み」「送料弊社負担」など、他に言い方はいくらでもある中、わざわざ送料無料とするのも、“無料”が好きな消費者に合わせようとする「荷主至上主義」のひとつだ。

 先に述べたように、実のところ2024年問題に「宅配」はほとんど関係がない。が、不特定多数の客と対峙せねばならないという観点では、宅配は、むしろ企業間輸送以上に荷主=顧客至上主義の影響が深刻だといえる。

「コロナ禍の時は無言で除菌スプレーをかけられた」(30代、個人事業主)

「チャイムを鳴らしたら『寝かしつけた子どもが起きた』とクレームが本部に届いた」(30代、大手宅配配達員)

「自己都合の返品なのに『送料無料なのになぜ返品分の送料がかかるのか』と支払を拒否された」(40代、大手宅配配達員)

 こうした勘違いした客と、彼ら宅配のドライバーは日々対峙しているのだ。

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