【VIVANT・最終回】今年最大のヒットドラマなのに「続編は白紙」のワケ

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最終回まで緩まないストーリー

 答えが出ていない謎がまだ数多い。整理してみたい。

 まず、テントのテロの最終標的が日本という説が流れている理由。40年前、ベキは警視庁公安部員で、バルカで潜入捜査をしていたが、同国の内乱中に公安から見捨てられた。それが基で一時は公安を恨んだが、もう水に流した。

「私が祖国を狙うはずがない」(ベキ、9話)

 しかし、元テントのアリ(山中崇、45)、テントのモニター・山本と複数の関係者が日本標的説を証言していたことから、全くのデマとは思えない。黒幕はベキの養子でテント大幹部のノコル(二宮和也、40)か、それとも別の裏切り者がいるのか。その人物は秘かに日本でのテロを計画しているのかも知れない。

 テントが資金源にしようとしているのは、レアアースのフローライト。その情報がバルカ政府に漏れた件も謎だ。誰が内通者なのか。

 ほかにも、公安がベキを見捨てた理由も焦点になる。さらに憂助と柚木の関係の行方、ジャミーン(ナンディン・エルデネ・ホンゴルズラ)が野崎を敬遠するわけも気になる。

 最終回は8話で記録された個人全体視聴率の最高値である10.1%を超えるのではないか。放送が終わった途端、多くの人がロスに襲われるのは間違いない。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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