「別班」のリアルはまるでダメサラリーマン! 元メンバーが証言「昼過ぎに帰る者も」「月に10本足らずの報告書でノルマ達成」

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陰謀論的に名前が出てくるように

「こうした実態にもかかわらず、『別班』の存在がフレームアップされてきたのは『金大中事件』の影響です」

 とは、前出の黒井氏。金大中事件とは1973年、当時の韓国の野党指導者だった金大中(後に大統領)が日本訪問時、KCIAによってホテルから拉致され、本国に移送された事件だ。

「この時、日本の調査会社が、金の所在確認でKCIAに協力をしていたことがわかり、そのトップが元自衛官で別班出身者だった。『赤旗』がその事実をつかんで大々的に報道したため、大きな話題になり、以後、折に触れ、陰謀論的に名が出てくることになりました。しかし私がその元別班員にインタビューしたところ“古巣とは全く関係ない”と否定していました」

 幽霊の正体見たり……。

公安にマークされた元別班長に話を聞くと…

 公安にマークされた前出の元別班長は現在、退官し、悠々自適の生活を送っている。彼に当時のことを伺ってみると、

「いやーわからない。全然わからないから」

 ジャーナリストを危険な目に遭わせた?

「いやいやいや」

 当局からマークされていた?

「わからない」

「VIVANT」見てますか?

「いや見てないよ。そのドラマ、架空でしょ」

「別班」のおかげで日本はテロから守られている?

「ふふ、そんなことないよ。ドラマでしょ」

 ファンにとっては肩透かしかもしれないが、現実を知ることもまた、エンターテインメントを楽しむための一興であろう。

週刊新潮 2023年9月21日号掲載

特集「ついに最終回 『VIVANT』大ヒットでも 『元メンバー』が明かす 自衛隊“闇組織”『別班』ホントの実力」より

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