「別班」のリアルはまるでダメサラリーマン! 元メンバーが証言「昼過ぎに帰る者も」「月に10本足らずの報告書でノルマ達成」

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情報漏洩が疑われた別班長

 元メンバーが続ける。

「この別班長は諜報機関のトップとしての緊張感に欠け、その後もこのブローカーと接触を続けていました。このブローカーは神奈川県警など日本の公安当局にもマークされていた人物です。それと不用意に接触し、しかも面談後、直接、庁舎に戻ってきていた。そのため“北朝鮮の工作員と頻繁に接触する自衛隊幹部”として情報漏洩が疑われていました」

 この別班長は神奈川県警だけでなく、全国公安警察を統括する警察庁の警戒対象案件になり、一時、警視庁公安部から徹底的に尾行されていた。複数の警備公安警察が入り乱れて、内々に大騒ぎする事態を招いていたのだ。

 ちなみにこのブローカーは、後に日本企業を北朝鮮の外貨獲得活動に利用し、当局がこの案件を「諜報事件」に認定。昨年1月、それを読売新聞が一面トップで伝えている。

“早起きがツラい”

 本誌(「週刊新潮」)では2014年にも直前まで「別班」に所属していたメンバーに取材をし、証言を載せている。

 それによれば、

〈なんとか対象国に独自のネットワークを築き、有事には諜報活動に打って出る工作員になろうと、仕事への使命感に燃えていた。しかし、別班に幻滅するまでに、それほどの時間はかかりませんでした〉

〈国外での活動が認められていないために、大した情報は集められないのです〉

 お互いをコードネームで呼び合うことまでしていたそうだが、

〈諜報機関としてはあまりに稚拙です。2、3人の“固定客”に話を聞き、月に10本に満たない報告書を提出さえすれば、ノルマは達成する。あるとき、内閣からの要望で、北朝鮮のミサイル発射時期について、(班長から)調査指示があった。陰ではみな、“そんなことわかるわけないだろう”って口にしていました〉

 組織のタガは緩んでいて、

〈(班長が)ほとんど本部に顔を見せないのです。「早起きがツラい」、「身の危険を感じる」というのがその理由。職務上必要な書類は、わざわざ部下に自宅まで届けさせる始末です。諜報機関のトップが、機密情報を自宅に持ち込むなどあり得ません。そんな有り様ですから、昼過ぎには帰宅してしまう隊員も現われるようになりました〉

 実情はダメサラリーマンといったところか。

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