「別班」のリアルはまるでダメサラリーマン! 元メンバーが証言「昼過ぎに帰る者も」「月に10本足らずの報告書でノルマ達成」
大ヒットを遂げ最終回が迫るTBSドラマ「VIVANT」。堺雅人演じる主人公が属する自衛隊の非公然組織「別班」の諜報活動が話題だが、この闇組織、実態はドラマに描かれるようなカタルシス溢れるものではないという。元メンバーがそのホントの実力を語った。
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「『VIVANT』を見ていると当時のことを思い出します」
と語るのは、平成の一時期、自衛隊「別班」に所属していたさる陸上自衛隊OBである。
「“日本を守る精鋭部隊”。“自衛隊でも超一流が集められた”。ドラマではそう描かれていますが、私がいた『別班』はそんな強力な組織ではなかった。限られた人数がメンバーの小規模なものでした」
7月クールの連ドラの中でナンバー1の視聴率を誇るTBS「VIVANT」。その余波でにわかに注目を集めているのが、自衛隊“闇の組織”「別班」である。
このドラマは、堺雅人、阿部寛、役所広司、松坂桃李、二階堂ふみなど主演級の俳優が名を連ね、モンゴルで2カ月半ロケを行うなど、制作費1話1億円といわれる豪華な作りで話題を呼んだ。
法さえ無視して動くドラマの中の「別班」
簡単にストーリーを記せば、主演の堺が演じる大手商社マンの正体は、自衛隊の秘密情報部隊「別班」のメンバー。中央アジアの国際テロ組織「テント」が最終標的に日本を選んでいることを知り、国家の危機を救うため阻止に動く。実の父親でもあるテントのリーダー(役所)との再会に、警視庁公安部外事課刑事(阿部)とのバトルも加わり、公安、テロ組織との三つどもえの戦いが視聴者を引き付けているのだ。
そこで描かれる「別班」は謎めいた組織だ。自衛隊でも超一流が集められ、国家の危機を未然に防ぐため、法さえ無視して行動する。
実際、ドラマでの堺はジェームズ・ボンド並み。テントのモニター(工作員)に、自白剤を使って内部情報を暴露させては自殺に見せかけて抹殺。また、テントの別の幹部に対しても、その家族を人質に取り、脅して組織の秘密を吐かせている。
こうした特殊組織の魅力もあって、11%台から始まった視聴率は現在14%台と右肩上がりのまま最終回を迎えるのだ。
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