柔道パリ五輪内定の斉藤立に「親の七光り」の声 強化委員の一人は「内定に反対票を入れた」
バスケ男子日本代表が48年ぶりに自力での五輪出場を決めて話題だが、こちらは日本のお家芸、柔道の話題である。偉大な金メダリストを父親に持つ若き俊英が、男子100キロ超級に内定。しかし、ほかの代表内定者や関係者から異論が噴出しているのだ。
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この階級は身長2メートルを超すフランスの「怪物」テディ・リネール(34)が長年支配。その影響もあり、2008年北京五輪の石井慧(さとし・36)以来、金メダルから遠ざかっている。
そんな“怪物”に来年のパリ五輪で挑むのが、先月23日に100キロ超級の代表に“早期内定”した国士舘大学の斉藤立(たつる・21)だ。
斉藤の父親は1984年、88年と五輪連覇し、8年前に54歳で亡くなった斉藤仁。日本柔道界では初の親子五輪制覇の期待がかかるのだが、さるスポーツ部デスクは次のように言う。
「内定翌日、斉藤と同様に73キロ級代表に選ばれた橋本壮市(32)から、選考方法や結果を疑問視する言葉が飛び出して、記者たちを驚かせました」
以下がその発言だ。
「落選した選手の気持ちもすごくわかる。(今回は)ピンとこない発表だったと、(ほかの代表候補の)選手も思っていると思うんですよ。みんな納得できていないというか、もっと違う選択もあったのではないか」
「親の七光りとみられても仕方がない」
先のデスクが「橋本発言」の“真意”について、次のように代弁する。
「今年3月、全日本柔道連盟の理事会で“新選考基準”が定められました。特定の大会の結果によらず、他選手よりも“明らかに優位”が認められれば、監督とコーチの推薦を受けて強化委員会が早期内定者を決めるというもの。その点、斉藤はライバルの影浦心(こころ・27)に世界ランクでこそ勝っているものの、今年5月の世界選手権では敗れています」
つまり、両者の力量は拮抗しており、明らかな差まではないというのだ。
「斉藤は親の七光りで選ばれたのでは、とみられても仕方がありません。一方、橋本と影浦は同じ東海大出身。橋本は悔し涙を流した後輩を慮って、今回の発言に至ったのです」(同)
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