日ハムに去られた「札幌ドーム」の現状 「新モード」は見通しが甘すぎた 市民の怒りは行政に

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日本ハムに数試合でも……

「新モードは1万人から2万人規模のイベント、たとえば、人気グループやアイドル歌手のコンサート会場にしてもらおうとして考え出されたものですが、札幌ドームは音響が良くありません。また、スタンド席が遠いのも考えものです」(レコード会社スタッフ)

 新モードのマイナス点を付け加えるとしたら、「4万人強を集客できる全国ドームツアーの1箇所」という付加価値を捨ててしまったことだろう。

 ネーミングライツの提案もあったが、進んでいないようだ。敷地内にスケートボードの練習場も設けられたが、札幌ドームの年間イベント130日の約半分を占めていたファイターズの抜けた穴を埋めるまでには至っていない。高校野球の件もそうだが、札幌ドームは後手にまわっている感も否めない。

「エスコンフィールドの集客は順調です。ファイターズは最下位に苦しんでいた時期もあり、優勝戦線から脱落してしまったのに、です、新球場に対する関心の高さもありますが、新庄剛志監督(51)の人気によるものでしょう。札幌ドームはプロ野球の興行規模の大きさを痛感しているのでは」(前出・地元メディア関係者)

 札幌ドームの一日当たりの使用料は、約840万円。2万人以上を集客した場合、「1人につき400円」の追加料金も発生していた。2万人以下の新モードでは、約635万円で追加はない。その新モードがメディア公開された3月14日の話になるが、会場で説明に当たっていた市の職員からは「24年から黒字に転換し、23年からの5年間の累計で約900万円の黒字になる」との目標数値も語られていたが……。

 札幌市内には1万人規模のコンサート会場は他にもある。市民の溜飲を下げるためにも、ファイターズに頭を下げて年間数試合でいいから、札幌ドームで主催ゲームを開催してもらったほうが良いのではないだろうか。

 ラグビーW杯のパブリックビューイングだが、10月8日のアルゼンチン戦でも行われる。こちらは新モードにはしないで、常設ビジョンでの観戦となるそうだ。

デイリー新潮編集部

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