「脱ジャニーズ」で今度はテレビ局がスポンサーに忖度 「クロ現」検証で思い出す民放が報じた“稲垣メンバー”
ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に87歳で死去)による性加害問題が、新たな段階に入った。多くの企業が同事務所にNOを突き付けたことで、民放に激震をもたらし始めている。「24時間テレビ『愛は地球を救う』」(日本テレビ)と同事務所との、約20年におよんだ蜜月が終わるのは確実。同事務所の所属タレントが出演するドラマ、バラエティーもつくりにくくなる。
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「24時間テレビ」とジャニーズ勢の蜜月が終焉
「24時間テレビ」とジャニーズ事務所との蜜月は約20年続いていた。なぜ、その関係が終わるのが確実かというと、1978年の第1回からスポンサー兼パートナー的立場としてこの番組を支えてきた日産自動車が、同事務所と一線を画すからだ。
日産は、ジャニー氏による性加害問題が同社の「人権尊重に関する基本方針」に反すると判断。「非常に遺憾」とした上で、同事務所のタレントをCMなどの宣伝手段で新たに起用しないと声明した。2020年からCMに出演している木村拓哉(50)との関係も、契約期間満了時であらためて判断するとしている。
「24時間テレビ」にとって、日産は単なるスポンサーではない。番組開始時から、ずっと募金活動に協力してくれている。
車椅子が乗せられるリフト付き自動車などを200台以上贈ってくれたのも同社。チャリティーオークションなども行ってくれた。「24時間テレビ」は、社会貢献活動にも協力するという日産のアイデンティティーの一端を示す番組でもあるのだ。
その日産がジャニーズ事務所と一線を画すのだから、「24時間テレビ」にも影響が出るのは必至。同番組も日産の方針に倣うしかないだろう。日産が「ジャニーズ事務所は遺憾で、そのタレントも新たにCMに使わないが、出演番組の提供は行う」といった矛盾する判断をするとは考えにくい。
「来年の放送の準備はもう始まるから、真っ先にジャニーズ勢抜きの番組づくりが話し合われるだろう」(芸能事務所幹部)
「日産がこの問題に反応したら大変なことになる」
なにわ男子がメインパーソナリティーを務めた今年の放送は、8月26日から翌27日だった。しかし実は数カ月前から、日テレ内の一部に日産の動向を不安視する声があった。
同事務所の前社長で現在は代表取締役の藤島ジュリー景子氏(57)が、5月14日に性加害問題を動画で詫びた直後のこと。「日産がこの問題に反応したら大変なことになる」(日テレ社員)と懸念する声が上がっていた。
そもそも「24時間テレビ」がジャニーズ勢と蜜月なのはなぜか。
それは同局の中興の祖である氏家齊一郞元会長(2011年に84歳で死去)と同事務所のメリー喜多川・元名誉会長(2021年に93歳で死去)が昵懇の間柄だったから。メリー氏が持ち前の人心掌握術で、芸能界とは距離を置いていた氏家氏に食い込んだ。
2人が存命していたころ、当時の会場だった日本武道館(東京都千代田区)で行われた同番組のフィナーレでは、そろって番組の黄色いTシャツを着ている2人の姿が見受けられた。
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