2億ションがすぐに完売! いま軽井沢で不動産バブルが起きている意外な理由

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 JR軽井沢駅の駅前から西に歩くこと十数分。「グラン ザ グローバル軽井沢」と名付けられたそのマンションは発売されると43戸がすぐに完売になったという。不動産販売サイトに掲載された値段は何と1億8800万円(92.2平方メートル)、つまり2億ションというわけである。

 いくら有名避暑地とはいえ、人口2万人にも満たない町でこの値段はバブルではないのか。不動産会社「ロイヤルリゾート」の担当者が言う。

「グラン ザ グローバル軽井沢は、分譲時点で億超えの値段が付いており、いま不動産販売サイトに出ている物件は、分譲で買ったお客さんが転売目的で値上げして売りに出しているものです。最近になって軽井沢では坪当たり500万円を超える新築マンションが目立つようになり、毎年のように最高値を更新している。もう東京都心と変わりません。こちらの不動産業界では軽井沢のことを“東京24区”なんて呼んでいるほどです」

コロナがきっかけ?

 軽井沢の人気が高いのにはいくつかの理由がある。東京から新幹線を使って約70分で行けることに加え、東京にあるハイブランドの店や、アウトレットモールでは有名ショップが軒を連ねている。また、東京の飲食店も同じように支店を構えているので、東京と似た暮らしができるのだ。

 しかし、近年の億ションの出現はそれだけが理由ではない。

「やはりコロナ禍が大きかったと思います。テレワークの環境が整ってくると、こちらでも便利に生活できることが分かってきた。最近では東京と軽井沢の2拠点生活をする方が増えています」(同)

億ションは難しくても…

 また、東京では中国人投資家がタワマンを買いあさっているといわれるが、軽井沢にもその影響があるのだろうか。

 だが、同町で不動産業を営む「ハイランドリゾート」によると、

「いいえ、軽井沢の物件を買っているのは日本人が圧倒的に多いです。中国の方は観光でやってくるだけで不動産を買うことは少ない。まあ、億ションというのは難しくても軽井沢なら3千万~5千万円で良いマンションが買える。だから、お金に余裕のある30代のサラリーマンが移住してくるケースもよく見かけるようになりました」(担当者)

 それでも十分お高く見えるのだが、「東京脱出組」がなだれ込んでいるせいか、軽井沢バブルは、しばらく崩壊しそうにない。

週刊新潮 2023年9月14日号掲載

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