「岸田内閣改造」“本当のサプライズ” 日本医師会会長が「大変素晴らしい布陣」とヨイショする「露骨なゴマすり人事」の裏側

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 本格始動した第2次岸田政権再改造内閣への期待の声が一向に高まらない。フタを開けてみれば「ノーサプライズ」と評された改造人事のなかで、実は支持団体も驚く“大抜擢”が行われていた。その裏側を取材すると、岸田首相の解散・総選挙に向けた「戦略」も透けて見えてくる――。

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「肩すかし内閣」や「総選挙対策内閣」などと野党がコキ下ろす今回の内閣改造だが、それら批判も「あながち的外れではない」と話すのは全国紙政治部デスクだ。

「過去最多となる女性5人を閣僚に起用するなど、岸田首相は“刷新感”のアピールを狙いましたが、実態は内閣の骨格は変えず、各派閥に配慮したバランス重視の人事です。岸田首相周辺からは“思いのほか評判が良くない”ことに落胆する声も聞こえてきます」

 外相に起用された上川陽子氏や経済安全保障相就任の高市早苗氏のほか、女性議員3人が初入閣を果たしたが、なかでも「誰も予想していなかった」とされるのが、地方創生担当相に抜擢された自見英子氏(47)だという。

「世間ではフレッシュな加藤鮎子氏の少子化・女性活躍相の起用に注目が集まっていますが、永田町では自見氏の登用こそ“サプライズだ”と受け止められています。予想外の発表に当初、“夫で厚労族の橋本岳氏が猛プッシュした”との話まで流れましたが、いまでは自見氏の背後に控える支援組織に注目が集まっています」(同)

岸田政権への「不満」

 自見英子氏は自見正三郎・元郵政改革相の次女で、厚労政務官などを務めたほか、こども家庭庁の発足にも尽力。2016年の参院選で日本医師会の政治団体である日本医師連盟(日医連)の組織内候補として出馬し、初当選を飾った。

 もう一人、今回の改造人事で厚労相に就任した武見敬三氏(71)も、医師会との「深い繋がり」で知られる人物。父親は日本医師会会長を長く務めた故・武見太郎氏で、自身も95年の参院選で日医連の推薦候補として初当選を果たした。

 日本医師会関係者が興奮さめやらぬ様子でこう話す。

「2人とも医師会が全面的にバックアップする政治家ですが、まさか2人が同時入閣するなど想像もしておらず、みな驚いています。というのも、ここ最近、医師会と自民党はギクシャクした関係にあって、医師会内には岸田政権に対する不満も溜まっていた。背景にあるのが、コロナ患者の病床を確保するため、国が医療機関に支払ってきた『病床確保料(空床補償)』の存在です。この補助金の支払い総額はこれまで3兆円を超えますが、受け取ったのは医師会とは無関係の大病院がほとんど。医師会に加入する個人クリニックなどはゼロに近い反面、“コロナ患者の受け入れに消極的”などのマイナスイメージばかりが流布され、“扱いが不当だ”との怒りが充満していた」

 なんとも身勝手な言い分に聞こえるが、実際、この間、医師会と自民党の“隙間風”を示すこんなエピソードがある。

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